「アナ雪」アナの演技は日本人もつけた!妊娠中も“特訓”

[ 2014年5月5日 08:35 ]

ミユキ・カンノ・ロングさんが“命”を吹き込んだ「アナと雪の女王」の主人公アナ(C)2014 Disney.All Rights Reserved.

 大ヒット中のディズニー映画「アナと雪の女王」。松たか子(36)神田沙也加(27)らによる日本語吹替版も好評だが、本編を製作したスタッフに名前を連ねる日本人クリエイターの活躍も見逃せない。東京都出身のアニメーター、ミユキ・カンノ・ロングさんは主人公アナに“命”を吹き込んだ。

 アンデルセン童話の傑作「雪の女王」にインスピレーションを得て、運命に引き裂かれた姉妹を主人公に、凍った世界を救う“真実の愛”を描く感動作。触れるものを凍らせる“禁断の力”を持つ女王エルサは、その力を抑えられず、真夏の王国を冬に変える。“雪の女王”となった姉と王国を救うため、妹のアナは雪山の奥深くへと旅に出る…。

 ――アニメーターはキャラクターに演技をつける、動きをつける仕事と聞きました。

 「アニメーターはキャラクターに命を吹き込む仕事と言われていて、今回、私はアナの役にほとんど携わっていました。シーンとしては最初の方で、アナが『いつか王国を出て世界を変えたい』と歌うシーンがあるのですが、そのシーンを担当しました」

 ――今回、王国を飛び出る前のアナはテンションの高い演技です。そういった動きもご自身でされたのですか?

 「はい。その時まだ妊娠していて、妊娠後半のころだったんですが、アナが窓から飛び出してブランコに乗るシーンの演技するために大きいおなかで公園に行って(笑い)。息子と一緒に。旦那にカメラで撮ってもらって練習をしたりしました」

 ――歌も歌われましたか?

 「はい。ちょうど歌のシーンだったので、歌を何度も何度も繰り返し聞いて覚えて、公園に行って演技をしました。最初はアナがブランコに座って歌を歌うシーンをやったのですが、監督に見せたところ、座った状態ではなく立って歌った方がいいと言われました。それでもう一度、公園に行って今度は立って演技をしました。それを監督が見て、というふうに何度か直しを入れて、OKをもらいました。映像でいうと1分くらいだと思いますが、作るのに2カ月間くらいかかりました」

 ――アナの声を担当した女優のクリステン・ベルさんとはお会いしましたか?

 「私は会えなかったんですが、彼女がレコーディングしているところがビデオに撮ってあったので、それを見ながら彼女の細かい表情や、歌の息継ぎがどこに入っているか、息をしている時の口の動きや体の動きなど、とてもいい勉強になりました。私の担当したシーンはクローズアップといって、顔を間近で描くシーンなので、眉や口がどう動いているのかなどを参考にしました。同じ『あー』と伸ばす音でも、口がどんどん開いていくのか閉じていくのかとか。眉毛の動きなどもとても勉強になりました」

 ――雪のシーンも担当されましたか?

 「アナが雪に埋もれるシーンをやりました。私がアニメーションしたのはアナが落っこちて、その上から雪がボンッと落ちる設定だったので、アニメーターがキャラクターをアニメーションして、その上から手書きで『雪をこういうふうに落としてください』という私の意見を書いて、雪のアニメーションを作る次のスタッフに送りました」

 妊娠中の“特訓”が、アナの生き生きとした動きに実を結んだ。
 
 ◆ミユキ・カンノ・ロング 東京都出身。カリフォルニア州立大学フラートン校でアートとアニメーションを学び、2008年にディズニー・アニメーション・スタジオ入社。「プリンセスと魔法のキス」(09年)「塔の上のラプンツェル」(10年)「シュガー・ラッシュ」(12年)などの製作に携わる。

続きを表示

2014年5月5日のニュース