岡田官兵衛 2週間動かず 「マジで汚い」牢で待望幽閉シーン

[ 2014年5月5日 05:30 ]

NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」で主人公が幽閉される土牢のセット

 NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」(日曜後8・00)で、岡田准一(33)が大河史上初めて“動かない主人公”になる。25日と6月1日の2週にわたって、身動きできない狭い土牢(つちろう)に幽閉される。「予想以上に汚いセットで、とにかくつらいというシーンを撮り続けました」と物語前半の見せ場について語った。

 2週にわたって描かれるのは、主人公・官兵衛の人生最大の苦難。有岡城に1年間幽閉される前半の見どころで、爽やかで真っすぐな性格だった官兵衛がシビアな軍師へと変わっていく物語のターニングポイントとなる。

 もともと歴史が好きな岡田は「官兵衛を演じると聞いてから、幽閉のシーンが楽しみでした。やっと来たねと言いながら牢に入りました」と気合十分で収録に臨んだ。

 史実の土牢の大きさは不明だが、「牢が狭すぎて官兵衛が足を痛めた」などの話を基に高さ1・35メートル、奥行き1メートル、幅1・35メートルの牢をスタジオに用意。官兵衛自身の排泄(はいせつ)物や、雨水が浮いているとして、内部をぬかるんだ状態で完成させた。

 岡田は「マジで汚いなあと思ったけど、汚さがうれしかった」と試練を再現したセットに身を置き、収録以外では夕食を抜くダイエットを続けながら役へのリアリティーに迫った。

 1963年の「花の生涯」から続く大河ドラマで、ここまで主人公が動かないのは初めて。過去に病床のシーンはあったが、元気なのに動けない、動かないシーンはない。制作統括の中村高志チーフプロデューサーは「主人公がじっとしているだけなので、さらっと描くことも考えたが、官兵衛の人生にとって大きな影響のある場面。じっくりと描くことにしました」と説明している。

 牢の外のシーンとしては味方が救出の機会をうかがったり、官兵衛の家族の動向が描かれる。一方で、動けない官兵衛は「絶望を表現したり、よく気絶したり、土のついたおにぎりを食べたりしていました」と岡田。「撮影後は風邪をひきました。肉体的にも精神的にもきつかったんでしょうね」と狭い空間への熱演を振り返り、「ここから軍師として始まると思っていただきたいです」と熱い口調で語った。

 ▽黒田官兵衛と幽閉 1578年(天正6)、織田信長の有力な家臣だった荒木村重が反旗を翻し、官兵衛が説得に赴いたが失敗。村重が城主を務める有岡城(現在の兵庫県伊丹市)にそのまま幽閉された。翌1579年(天正7)、味方に救出されるが、狭い牢に1年間捕らえられていたため足が不自由になった。

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2014年5月5日のニュース