大友康平 東北魂伝える 震災被災地出身の俳優陣集結ドラマ「かつお」

[ 2013年10月2日 06:00 ]

NHKドラマ「かつお」主演の大友康平

 東日本大震災で被災した東北出身の俳優陣が集結した特別ドラマが放送される。被災地を取材し続けてきたNHK仙台放送局が制作する「かつお」(12月18日後7・30)。主人公の元漁師役は、宮城出身でロック歌手の大友康平(57)が演じる。6日のクランクインに向けて出演者たちは「ふるさとの物語を全国に届けたい!」と東北魂を燃やしている。

 震災で妻が行方不明になった元漁師(大友)と子供たちとの家族愛を描いた物語。泳ぎ続けていないと呼吸ができないカツオと同じように、いつも全力疾走で前向きに生きてきたことから“かつお”の愛称で呼ばれる主人公が、沖を離れて建設現場で働きながら1男1女を育てる日々。芦名星(30)演じる謎の美女に出会ったことで一家に変化が起き始めていく。

 息子役に起用されたのは仙台在住の嶺岸佑樹(15)。同市出身のサンドウィッチマン、福島出身の梅沢富美男(63)と芦名らが脇を固める。妻役は鈴木京香(45)。被災地で暮らす宮城の子役たちも出演する。

 震災から2年半以上、報道やドキュメンタリーで伝えてきたNHK仙台放送局にとって、被災地のドラマを制作するのは初めて。撮影の舞台は石巻市をはじめとする宮城県内の海岸。仮設住宅や復興商店街などの人たちの協力も得て、6日から撮影をスタートさせる。

 大友は役作りのためにクランクイン前に被災地の漁師の元を訪れる予定。復興支援を続けている中で巡ってきた大役に「自分自身ができることで少しでも懸命に生きる人たちへ力になればという願いも込めて、この物語への出演を決めました。復興の足音を消さないため、そして何より“今回の出来事”を風化させないため、たくさんの方々へ思いが伝われば」と熱い思いを口にしている。

 山岸秀樹チーフ・プロデューサーは「被災地には、親として、夫として、仕事場や浜のリーダーとして、震災後に無理をしながら全力で走り続けてきたたくさんの“かつお”さんが実在します。そうした皆さんに、大友さんたちの思いをお届けできれば幸いです」と話している。

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2013年10月2日のニュース