広島 「孝行息子」アドゥワが今季初勝利もたらした 5回1失点 自身は1699日ぶりの先発白星

[ 2024年4月1日 05:30 ]

セ・リーグ   広島5ー1DeNA ( 2024年3月31日    横浜 )

<D・広>広島先発・アドゥワ(撮影・平嶋 理子)
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 広島・アドゥワ誠投手(25)が31日のDeNA戦で19年8月6日のDeNA戦以来、1699日ぶりの先発勝利を挙げた。今春キャンプ終盤の先発挑戦から開幕ローテーション入りし、19年8月12日以来の先発マウンドで奮闘。前日までの2試合で2本塁打を含む計5安打を許していた度会を3打席封じるなど5回1失点で抜てきに応え、新井貴浩監督(47)に今季初勝利を贈った。

 アドゥワはヒーローインタビューで三塁内野席から左翼席に陣取る鯉党から大歓声と拍手で出迎えられた。1699日ぶりの先発勝利。「チームが勝てたので良かった」。表情は変えず、心の奥で喜びをかみしめた。

 「全体的に狙ったところにいかなかったが、ストライクゾーンを目がけて腕を振った。どの回も先頭打者を抑えられて良かった」

 1軍での先発マウンドは19年8月12日の巨人戦(マツダスタジアム)以来、1693日ぶり。開幕2連敗の苦境で回ってきた出番にも「(緊張は)なかった」と動じなかった。宮崎に先制二塁打を浴びた初回は後続の2死満塁を切り抜けて最少失点。140キロ台後半の直球を軸にスライダー、カーブなどを織り交ぜ、5回まで投げきった。特に度会には3月17日のオープン戦での対戦経験も生かし、変化球を織り交ぜながらタイミングをずらすなど3打席とも封じて勢いを止めた。

 「対策はないですけど、外角の変化球を有効的に使えたと思う」

 高卒2年目の18年には19歳6カ月で球団最年少ホールドを記録するなど53試合で6勝。将来を期待され、翌19年は14試合で先発起用された。20年10月に右肘を手術。1年半のリハビリを経て、22年3月に2軍戦で実戦復帰してからは昇格がなかった。転機は昨季の新井監督の就任だ。

 先入観のない視点で目にとまり、昨季は4年ぶりに1軍で登板。昨秋キャンプでは4年間封印していたカーブを勧められて解禁し、投球の幅が広がった。4年ぶりに1軍参加した今春キャンプでは沖縄2次キャンプに入ってから新井監督の提案で先発に挑戦した。

 オープン戦で結果を残し、8年目で初の開幕ローテーション入り。チャンスを与えてくれた新井監督に今季初勝利を届け、「久しぶりの先発でよく頑張った」とねぎらわれた。紆余(うよ)曲折を経た25歳の春。真価を示し、新たな一歩を踏み出した。(長谷川 凡記)

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