センバツ 本塁打数減でわずか3本も新バットで野球「本来の姿」に

[ 2024年4月1日 05:00 ]

大会第1号を放った豊川・モイセエフ
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 【第96回選抜高等学校野球大会総括】最大径が3ミリ細い64ミリ未満となり、打球部の素材は約3ミリから約4ミリ以上と厚くなった「飛ばない」新基準金属バットで甲子園が大きく変化した。全31試合で本塁打はわずか3本。金属バットが解禁された75年以降では最少で、96年の5本を下回った。その3本も最短距離となる右翼ポール際への2本と、ランニング本塁打が1本。右打者の本塁打はゼロだった。優勝した高崎健康福祉大高崎も本塁打はなかった。

 投手へのライナーなどでの事故防止を目的に導入され、反発係数は5~9%も減少。昨年、U18W杯で高校日本代表を初優勝に導いた明徳義塾(高知)の馬淵史郎監督は「現場目線だと、野球が面白くなった。本来の姿に戻ってきた。長打が望めない分、四球、失策を出さないことが重要になる」と歓迎する。走者二塁のケースで本塁生還を防ぐため、外野手の前進守備が増えたのも特徴的だった。「芯に当たらないと飛ばない」新バットに適応できれば、木製バットを使用するU18の国際大会や、大学野球、プロ野球などへの順応もスムーズになる。

 今大会から解禁された2段モーションを駆使し、阿南光(徳島)の吉岡暖(3年)、中央学院(千葉)の臼井夕馬(3年)らは好投も見せた。夏は野手がどのように「新バット」に対応してくるか、注視したい。(アマチュア野球担当キャップ・柳内 遼平)

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