全米よ、これが由伸だ!ドジャース本拠&米本土初登板で本領5回零封 初勝利お預けも雨中の熱投で手応え

[ 2024年4月1日 01:30 ]

ナ・リーグ   ドジャース5-6カージナルス ( 2024年3月30日    ロサンゼルス )

<ドジャース・カージナルス>雨の中、力投する山本(撮影・白鳥 佳樹)
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 ドジャースの山本由伸投手(25)が30日(日本時間31日)、カージナルス戦に先発して米本土&本拠地初登板を果たし、35分間の雨天中断もありながら5回を2安打無失点に抑えた。救援投手が打ち込まれて初勝利の権利は消滅したが、1回5失点でKOされた前回のメジャー初登板の汚名を返上。投手史上最高総額の12年3億2500万ドル(決定時約462億円)で加入した右腕が本領を発揮した。

 南カリフォルニアでは珍しい雨にも負けなかった。35分間の雨天中断を経た5回、山本が再びマウンドに歩を進めた。2死から二塁打を浴びたが、8番クロフォードは95・3マイル(約153・3キロ)の直球で左飛に斬った。

 「思ったより中断が長くなかったので(ベンチ)裏で準備してマウンドに行った。長引いていたら交代だったと思う。寒さも気になるほどではなかった」

 待望の本拠地初登板は気温9度で風も強く、小雨も降る悪条件。それでも初回を3者連続三振に抑えてリズムに乗る。両軍無得点で4回を終えたところで雨脚が強くなって中断。ドジャースタジアムでは9年ぶりの珍事だが、日本では何度も経験している。ベンチ裏で投球練習を行うなど右肩の臨戦態勢をキープ。5回2安打無失点、5奪三振で先発の役割を果たした。

 チームの開幕2戦目で、韓国ソウルで行われた3月21日のパドレス戦でメジャーデビューも1回5失点で初黒星。3試合、計9回2/3で防御率8・38だったオープン戦と同様、直球はシュート回転し、変化球も高めに浮いた。「そんなに大きく変えたところはない」と語ったが、キャンプ終盤から“サイン盗み対策”を目的にグラブを腹の前に置いていたセットポジションの始動時のグラブの位置を、日本時代と同様に胸の前へと変更。「日本で登板してきた時と同じことをやろう」という意識も好投につながった。

 試合前のロッカーには球団職員が作ったとみられる「てるてる坊主」が飾られるなどチームも一体となり山本を後押し。3番手のケリーが7回にまさかの5失点で勝利投手の権利は消え、試合も延長10回の末に敗れたがデーブ・ロバーツ監督は「最大の収穫は由伸が素晴らしい一夜を過ごしたこと」と評した。

 「歓声が凄くて、気持ちよく投げられた」と山本。超大型契約で加入したメジャー1年目。初白星は近い。(柳原 直之)

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