阪神・森下 開幕からの「ゼロ行進」止める決勝弾! G倒、今季初星に「一発で仕留められて良かった」

[ 2024年4月1日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神5ー0巨人 ( 2024年3月31日    東京D )

<巨・神> 8回、先制3ランを放ちポーズを決める阪神・森下(撮影・大森 寛明)
Photo By スポニチ

 阪神・森下翔太外野手(23)が31日の巨人戦で今季初勝利を呼んだ。8回2死一、三塁から左中間席へ先制の決勝弾。12打席目での今季初安打を殊勲の一撃で飾り、開幕3試合26イニング目にして初得点をもたらした。リーグワーストを更新した開幕25イニング連続無得点を止め、開幕3連敗も阻止。持ち前の勝負強さは2年目も健在だ。

 驚速の弾道がよどんだ空気を切り裂き、左中間席へ突き刺さった。開幕から26イニング目でついに「ゼロ行進」に終止符。森下は一塁ベースを回ったところで右人さし指を天へ突き上げ、戻ったベンチでチームメートと抱き合った。

 「今日の試合は絶対勝つというところで、チャンスで一本、自分が出せば勢いに乗れると思った。一発で仕留められて良かった」

 2戦連続零敗で迎えた第3戦。初回の無得点で「開幕から19イニング連続無得点」はセ・リーグワーストを更新し、7回で25イニングに達した。8回になって初めて二塁に走者が進み、2死一、三塁を託された。過去11打席で使用した黒いグリップのバットを6回の三ゴロで折り、気分一新で持ち替えた鮮やかな黄色いグリップのバットが「幸せの快音」を奏でた。

 「思い詰めていたというほどでもないが、1本出たので、気持ちは楽になった。試合自体は自信を持ってやった。また頑張りたい」

 かなえたい夢がある。主体になった「社会貢献活動」だ。先輩では近本が故郷・淡路島の子供たちを甲子園に招待し、青柳が地元・神奈川の小学校に本を寄贈。岩崎、岩貞らもチャリティーに積極的だ。国内外を問わず貧困に苦しむ子供たちへの食糧支援や、犬好きから動物保護団体への寄付の早期実現などを念頭に置き、プロ2年目を迎えた。「保護犬を救いたいし、子供たちを元気にしたい」。全ては快打を積み重ねてこそ。決意を秘めるバットが窮地の虎を救い、虎党を元気にした。

 新人だった昨季は94試合で打率・237、10本塁打、41打点。数字以上に強い印象を残すのは殊勲打が多いからだ。2年目も開幕3連敗を阻止する大仕事で始まり、岡田監督を「久しぶりに点入ったな」と喜ばせた。「この勝ちは大きいよな。借金3つが1つになるんやから。そら全然違うよ、1勝2敗は」。指揮官だけの実感ではない。

 連覇へ、まず1勝。「一喜一憂しても仕方ない。もう終わったこと。京セラドームでしっかり打ちたい」。月が変わればツキも変わる。余韻に浸らず、鋭い眼光で2日からのホーム開幕シリーズを見据えた。(八木 勇磨)

 ○…森下(神)が同点の8回に決勝の1号3ラン。昨季の勝負強さを示す数値として、殊勲安打16本(うち本塁打7本)がリーグ12位タイで規定打席未満の選手では最多。本塁打を打った試合は8勝1敗で、勝率.889はセで10本塁打以上の24選手では末包(広)、ブリンソン(巨)と並んで最高だった。日本シリーズでは新人最多を更新する7打点などシーズン打率.237の数字以上に印象に残る活躍だった。ちなみに今季1号はプロ野球の「令和6666号」にもなった。

続きを表示

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2024年4月1日のニュース