脳裏に浮かんだ2年前の“悪夢” 日本ハム・水野の背中を押した父の言葉

[ 2024年4月1日 08:00 ]

<ロ・日>31日。ヒーローインタビューを終えファンの声援に応える水野(撮影・沢田 明徳)
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 2年前の“リベンジ”を果たした。JR四国から21年ドラフト3位で入団して3年目となる日本ハム・水野達稀内野手(23)だ。3月29日の開幕ロッテ戦で「7番・遊撃」で先発出場し、3回に先制の口火を切る右中間三塁打を放つなど2安打の活躍。チームの5年ぶりとなる開幕白星に貢献し、試合後は一気に表情を崩した。

 「良かったです。本当に安心しましたし、ホッとしました」

 脳裏をチラついたのは2年前の開幕戦(VSソフトバンク)。プロ1年目ながらオープン戦で結果を残し、「9番・遊撃」で球団では13年の大谷(現ドジャース)以来となる新人野手の開幕スタメンをつかんだ。しかし、結果は3打数無安打。その後、19打席目にして待望のプロ初安打をマークしたが、4月に2軍に降格し、2年目だった昨季も1軍出場は31試合に終わった。

 今季はオープン戦から結果を残し、再びつかんだ開幕スタメンの座。2年前の悪夢も浮かんだが、背中を押してくれたのは故郷の香川県に住む父だった。開幕2日前に電話が掛かってきて「打てんかったら、打てんかったでええがー!」と励まされた。水野は「大雑把な人なんですけど、(気持ちが)ちょっと楽になりました」と父の言葉で肩の力も抜け、悪夢も消し去る活躍だった。

 「新人というのは言い訳にはならないが、落ち着きがないというか目の前のことで精いっぱいだった」と、2年前を振り返る。そして多くの経験を積んで迎えた3年目は「ボールも見えていた。ミスショットなく、打つことができたし、落ち着いていました」と力を込める。チームにとって長年の課題だった二遊間の固定。パンチ力のある選手が頭角を現した。(記者コラム・清藤 駿太)

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