健大高崎・青柳監督 涙のV!「攻撃的機動破壊」結実

[ 2024年4月1日 05:00 ]

第96回選抜高等学校野球大会 第11日決勝   高崎健康福祉大高崎3―2報徳学園 ( 2024年3月31日    甲子園 )

ナインに胴上げされる高崎健康福祉大高崎・青柳監督(撮影・北條 貴史)
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 涙があふれ出て、止まらなかった。高崎健康福祉大高崎の青柳博文監督(51)は「野球部創部からのOBたちの顔も浮かんで涙が出ました」と万感の思いを口にした。

 「10年で甲子園に行きたい。そしてもう10年で甲子園の常連校になりたい」

 01年に前身の群馬女短大付が共学化され、チームは15人程度の同好会からスタートした。02年の青柳監督の就任を機に野球部に昇格。建設会社に勤めていたが「たまたま教員免許を持っていたんでね」。自身は前橋商3年時の90年選抜に「4番・一塁」で出場。当時の恩師に乞われ監督人生が始まった。

 就任当初は部員たちに練習をボイコットされたこともあったが、サラリーマン経験がチームを強くした。「会社のように組織でやりたくて」と、現在も9人体制でチームをまとめるなど、コーチの確保に力を入れた。機動力を前面に出す「機動破壊」で新風を吹かせ、描いた通りに11年夏に初の甲子園出場を果たした。「当時は足を使うしかなかった」と弱者の戦法だったとも述懐する。好素材が集まり始め「大きく育てる」を念頭に、打力を足した「攻撃的機動破壊」へ昇華させた。

 創部23年目に立った頂点。「60歳で辞めようと思っていてね。それまでにコーチを育てて健大の野球はこういうものだというのを残したい」。築いた伝統をより強固にしていくことを誓った。(村井 樹)

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