報徳学園　1点が届かず2年連続準優勝　選抜初の3元号Vも逃す　今朝丸「投球フォームを安定させて…」

第96回選抜高等学校野球大会 第11日決勝   報徳学園2ー3高崎健康福祉大高崎 （ 2024年3月31日    甲子園 ）

＜高崎健康福祉大高崎・報徳学園＞1点及ばず優勝を逃し、肩を落とす報徳学園ナイン（撮影・北條　貴史）
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　報徳学園は2年連続の準優勝に終わり、選抜史上初となる昭和、平成、令和の3元号制覇を逃した。最速151キロ右腕の今朝丸裕喜は、6安打4奪三振で3失点完投。それでも序盤3回までに与えた3点が最後まで重くのしかかり、敗戦後の観客席へのあいさつで悔し涙が頬を伝った。

　「スタンドのみんなから“優勝を取ってきてくれ”と言われていた。できなかったことが悔しくて…」

　2年連続で決勝に登板。1年前の山梨学院戦では救援登板で2ランを被弾しており「去年の決勝で一球の怖さを経験した。その点を大事にして投げた」。2―3の4回以降5イニングは2安打無失点と修正し、8回にはこの日最速の149キロを計測。主に救援だった1年前から、エース格として立派な先発投手に成長した姿を誇示した。

　昨春の決勝マウンドを経験した今朝丸、間木歩の右腕二枚看板を中心に5戦9失点と守り抜いてきた。主将の間木は「多くのピンチを最少失点で切り抜けられたことは去年と比べて大きく成長した点だと思う」と振り返る。加えて決勝では内野陣が計3度のダイビングキャッチを披露。大会通じて2失策に抑えた堅守が準優勝の原動力となり、今朝丸は「守備は日本一だと思う。自信にしていいと思います」と感謝した。

　敗戦後、今朝丸は大角健二監督から「この景色を覚えておけよ」と伝えられた。「体重を増やし、投球フォームを安定させて夏に臨みたい」。前年準優勝校の翌年決勝敗戦は1933年の明石中（兵庫）以来91年ぶり2度目。この屈辱を糧にした二枚看板が、より強力となって夏に帰ってくる。　（河合　洋介）

　○…報徳学園の5番・安井康起の2本の二塁打も勝利に結び付かなかった。初回2死一、二塁で一塁線を破る先制の適時二塁打。敵失も絡み2点の先行を呼ぶと、1点を追う6回先頭でも中越え二塁打。5試合通じてチームの全長打3本を記録した。「（初回は）真っすぐを狙っていい感じで打てた。（6回は）絶対に塁に出ようという意識だった」。準決勝まで4試合連続複数安打＆打点の4番・斎藤佑征（ゆうと）は4打数無安打。5回2死満塁で遊ゴロに終わり「打てなくて本当に悔しい」と言葉を絞り出した。