ドジャース・大谷 違法賭博問題関与全面否定 一平氏を断罪6度も「うそ」「全てがうそだった」

[ 2024年3月27日 02:30 ]

水原一平通訳の違法賭博問題を受け、声明を発表する大谷翔平(C)Jon SooHoo/LA Dodgers
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 ドジャース・大谷翔平投手(29)が25日(日本時間26日)、専属通訳だった水原一平氏(39)の違法賭博問題について初めての取材対応となる会見をドジャースタジアムで開いた。声明を発表した11分33秒の中で、自身の賭博、違法ブックメーカーへの送金を含めて賭博への関与を完全否定。新たな水原氏のうそについても言及し、今後は大リーグ機構(MLB)、警察などの調査、捜査に全面協力する意向を示した。

 帽子を深くかぶった大谷の頬は、少しこけていた。衝撃の問題発覚から5日。それでも強い口調で違法賭博問題への関与を完全否定し、厳しい言葉で元相棒を断罪した。

 「結論から言うと、彼(水原氏)が僕の口座からお金を盗んで、みんなにうそをついていたことになります」

 パドレスとの韓国開幕シリーズ中に発覚した、水原氏の違法賭博問題。ドジャースタジアムの会見場には、73人のメディアが集結した。映像、写真などの撮影は球団公式に限定。質疑応答なしの厳戒態勢だったが、手元にメモを置き、誠心誠意の情報を11分33秒に込めた。「僕自身は何かに賭けたり、誰かに代わってスポーツイベントに賭けたり、それをまた頼んだりということはないし、僕の口座からブックメーカーに対して誰かに送金を依頼したこともありません」。水原氏が違法ブックメーカーに借金があり、少なくとも450万ドル(約6億7950万円)を大谷の口座から送金。スポーツ専門局「ESPN」の取材に当初「大谷が肩代わりしてくれた」「一緒に銀行口座から送金した」と答えたことを全て否定した。

 問題を初めて知ったのは、水原氏が「私はギャンブル依存症」と告白した20日の開幕戦後のミーティングだった。その後、ホテルで水原氏から事情説明を受け「やっぱりこれはおかしい」と代理人、弁護士、ド軍と協議。「弁護士は窃盗と詐欺なので、警察当局に引き渡すという報告をしました」と21日の解雇までの経緯を明かした。

 水原氏の新たなうそも指摘した。借金を当初「某友人の借金」と周囲に説明。代理人らには「すでに大谷とコミュニケーションを取っていた」としていた。これらを含め「まったく全てがうそだった」と不快感をにじませ、「うそ」という言葉を6度、繰り返した。

 メジャー移籍した18年から7年目。最も信頼していた人物からの裏切り。声明では水原氏の呼び方が「信頼していた方」「彼」「一平さん」と変わるなど、消化しきれない思いも表れた。「正直、ショックという言葉が正しいとは思わない」。続けて「それ以上の、うーん…、うまく言葉では表せないような感覚でこの1週間くらいはずっと過ごしてきました」と絞り出した言葉に本音がにじんだ。

 今後は弁護士らに問題を委ね、捜査などに全面協力する意向を示した。28日(日本時間29日)には本拠地開幕。「気持ちを切り替えるのは難しいですけど、シーズンに向けてまたスタートしたい」と気丈に前を向いた。(柳原 直之)

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