【スポニチ本紙評論家パ・リーグ順位予想】V予想は強力攻撃陣ソフトバンク14人、V4狙うオリックス9人

[ 2024年3月27日 05:30 ]

パ順位予想
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 総合力が高いオリックスのリーグ4連覇か、それとも強力攻撃陣を擁するソフトバンクの覇権奪回か――。2024年のプロ野球開幕まであと2日。スポニチ評論家陣23人による順位予想の後編はパ・リーグ編だ。ソフトバンクで一時代を築き、昨年限りで巨人で現役を引退した松田宣浩氏(40)も、2チームによる上位争いを予想した。

 【松田宣浩氏、ソフトバンク・「右打者の核」山川&ウォーカー】1位予想はソフトバンクにしました。ここ数年は左打者が多く、右打者の核となる選手が不在だった。山川選手、ウォーカー選手と他球団で実績のある打者を獲得できたのは大きいとみます。

 3年間、勝てていないということは、新しい力に頼ることも必要です。昨年は外国人選手全員でホームランが1本。ウォーカー選手は巨人で一緒にプレーしましたが、まだまだ技術はある。ある程度、打席数があれば結果を出すでしょう。日本の野球を知っているし、指名打者のあるパ・リーグのメリットを生かしてほしいです。

 鍵となるのは先発投手だと思います。2桁勝つ選手が3、4人出るかどうか。若手先発陣は他球団に比べれば育っているとは言いにくい。だから打線がカバーして投手を育てるのが、2024年の戦い方だと思います。

 当然、4連覇を狙うオリックスは優勝候補。自分もそうでしたが、連覇している時は自信や経験など、勝ったチームにしか分からないパワーがある。山本由伸投手、山崎福也投手が抜けても、新たな選手が出てきている。山下投手、東投手は10勝以上するのではないでしょうか。2位予想ですが、筆頭格と思っています。一緒に自主トレした「熱男塾」の頓宮選手は2年連続首位打者もかかります。ケガさえなければ、いい成績を残すでしょう。

 3、4位は日本ハム、西武を並べました。いずれも先発がそろっています。日本ハムは伊藤投手や、加藤貴投手の残留、山崎投手の加入など頭数はいる。西武も2桁を勝てる投手が多く、打線次第で上位争いができそうです。投手が鍵という意味ではロッテも同じ。佐々木投手が絶対的エースの存在となれば、小島投手、種市投手らの成績も影響し合い、上位を狙ってきそうです。

 6位予想ですが、楽天の今江監督は同学年で、小学校の時から知る仲。初めて同じ年の監督が誕生しました。どういう采配をするのか注目しています。

 初めての順位予想。まず、考えたのは、それぞれの球団を応援するファンの皆さんの顔です。今季のパは恐ろしいほどの混戦になると思います。ちょっとしたことで、順位は大きく変わるでしょう。

 【張本勲氏、オリックス・投手起用で「ナカジマジック」に期待】オリックスは山本、山崎が抜けたのは確かに痛いが、それだけに中嶋監督の采配に期待したい。彼の戦い方にはポリシーがあり、選手も信頼を寄せている。投手陣をどう起用するか、「ナカジマジック」に注目だ。戦力的に最も充実しているのはソフトバンク。昨季はちぐはぐした戦いが目立った。小久保新監督の采配も見ものだろう。ダークホースは西武とみる。主砲の山川は抜けたが、投手陣は強力。楽天、日本ハムは戦力的に厳しいか。

 【田淵幸一氏、ソフトバンク・2桁勝利が計算できる投手そろった】ソフトバンク、オリックスが2強だが、他のチームも戦力は拮抗(きっこう)している。西武は投手、特に先発陣に2桁勝利が計算できる投手がそろう。ドラフト1位の武内も計算できそうで、打線とかみ合えば一気に上位浮上の可能性も。キャスチングボートを握るのは新庄監督3年目の日本ハム。昨季もチーム防御率はリーグ3位の3・08と投手陣は悪くない。4番・マルティネスが打線をけん引し、万波らと得点を稼げば面白い存在だ。

 【有藤通世氏、ソフトバンク・昨季6勝だった東浜の復調気配大きい】ソフトバンク、オリックスのV争いとなりそうだ。ソフトバンクは昨季6勝だった東浜の復調気配が大きい。山川、ウォーカーが加入した打線の破壊力も随一。オリックスは「軸」である山本が抜けた穴をどう埋めるか。ロッテは佐々木次第。彼が年間通して20~22試合、規定投球回に到達して150イニングほど投げることができれば。当然、自然と白星も付いてくるし、ローテーションが締まる。楽天は則本が抑えに回り、先発陣に不安が残る。

 【東尾修氏、オリックス・舜平大&東だけじゃない力ある若手】オリックスは選手層が厚い。昨年成長した山下と東に加え、曽谷ら力のある球を投げる若手がおり、山本の穴を埋めていける。ソフトバンクは先発陣が手薄。打線でカバーしようにも限界がある。西武は先発陣がよく、人的補償で加入した甲斐野の存在も大きい。ストッパーで使えれば救援陣も安定する。ロッテは吉井監督の投手陣のやりくりに期待。楽天は新加入の外国人がどれだけ働けるか。日本ハムはまだ上位を狙える戦力が整っていない。

 【中畑清氏、ソフトバンク・右の大砲2枚獲りで破壊力抜群打線】ソフトバンクは強い時代の主力だった小久保監督が、意地を見せるシーズンになると思う。山川、ウォーカーと右の大砲を2枚獲得。左の柳田、近藤と組む中軸は、破壊力抜群だ。不安な先発投手陣を打線がカバーする形がつくれたら強い。オリックスは若手が伸びているとはいえ、大黒柱の山本がドジャース、山崎が日本ハムに移籍。穴はそう簡単には埋まらないと思う。日本ハムは新庄監督の野球が浸透した3年目。大暴れを期待したい。

 【辻発彦氏、オリックス・厚い投手層&新加入の西川も好材料】オリックスは山下に腰痛の不安はあるが投手層は厚い。西川加入も好材料。ソフトバンクは先発の東浜、石川あたりが不安定で千賀の穴が1年たっても埋まっていない。西武は投打のバランスがいい。ベンチワークで勝ちを重ねれば優勝争いに絡んでくる。ロッテはソトが加わって得点力増。佐々木ら投手陣次第でAクラスも狙える。日本ハムは1点を取る野球ができていない。楽天は荘司が開幕に間に合ったがベテラン勢の衰えは隠せない。

 【牛島和彦氏、オリックス・伸びしろある「原石」は逆にチャンス】オリックスは山本、山崎が抜けた。それでもチームには、まだ完成されていないながらも力のあるボールを投げる「原石」が多くいる。そんな若手には逆にチャンスになるだろう。ロッテは佐々木の成績次第。彼がフル回転すれば上位争いに絡める。主砲の山川が抜けた西武は、2桁勝利を計算できる先発陣が強力でドラフト1位の武内も戦力になる。楽天は則本が抑えに転向したことで、先発陣の駒をどうそろえるかがポイントになりそうだ。

 【伊東勤氏、オリックス・由伸抜けても曽谷、椋木で穴埋める】オリックスは山本が抜けたが、力のある若手の曽谷や支配下復帰した椋木らで穴を埋められそう。ソフトバンクは山川加入で打線は強化したが先発が有原、和田中心では苦しい。西武は先発陣が強力。新外国人のアギラー、コルデロも働きそうで歯車が合えば優勝争いにも絡める。ロッテは佐々木次第。圧倒的な数字を残せば上位進出もある。日本ハムは万波らの経験値が上がっており開幕ダッシュできればAクラスも。楽天は補強なく苦しい。

 【槙原寛己氏、日本ハム・新庄監督就任3年目で集大成見せて】新庄監督3年目の日本ハムは期待を込めて3位に。過去2年で指揮官、選手とも場数を踏んできた。万波ら若手も育ち、外国人も補強。新加入の山崎も2桁勝利が期待できるし、新庄監督には就任3年目で集大成を見せてほしい。ソフトバンクは山川、ウォーカーと右の大砲が加わり柳田、近藤ら左打者の負担が減るのが大きい。ロッテ・佐々木はバランスを崩していたのが心配だったがオープン戦最後の登板で好投した。シーズンでどうか。

 【森繁和氏、ソフトバンク・チーム力にプラス要素…浮上は確実】ソフトバンクは打線に山川、ウォーカーが加入するなどプラス要素が多い。元々、チーム力はリーグでもトップクラス。昨季3位からの浮上は確実だろう。オリックスは原石ともいえる力のある若手選手が多い。西武の投手力は先発、リリーフ陣ともにリーグ上位。主砲の山川が抜けた打線がどれだけ奮起して投手を援護できるか。昨季は借金12で5位も、球宴以降のシーズン後半戦は30勝30敗の勝率5割。投打がかみ合えば面白い存在に。

 【広澤克実氏、ソフトバンク・実力互角も小久保監督の思いに期待】オリックスのマイナスは山本、山崎合わせて27勝。去年は86勝。良くても70勝の後半となると考えるのが普通だ。71勝だったソフトバンクは上積みが7、8勝はあると思う。80勝到達もあり得る。2軍監督として、小久保監督も相当に勉強したと思う。オリックスと実力は互角だと思うが、このシーズンに懸けてきた小久保監督の思いに期待したい。ロッテは過保護と言われてきた佐々木がローテを守って、山本級の活躍をすれば上も狙える。

 【野村謙二郎氏、オリックス・エース抜けても“大物”出てくる予感】オリックスは山本、山崎が抜けても強いと思う。この穴は1年間の大きなテーマ。でも、これから出てくる投手たちも、オリックスのレベルの高さは知っているはず。広島も15勝級の前田が抜けてから連覇が始まった。そういう意味で、とんでもない選手が出てくるという予感はある。ソフトバンクは安定した強さを持っているが、選手が入れ替わる時期で、投手が少し弱いかなと感じる。西武は若い投手が出てきているし、あとは打線次第。 

 【佐々岡真司氏、ソフトバンク・山川の加入で打線はオリを上回る】オリックスの山本、山崎の2人が抜けたことで、優勝争いは混戦状態になる。山本は絶対的なエースで、投げれば勝てる投手だった。期待される山下は確かに素晴らしい投手だが、1年間やった経験がないのは不安。山川が加入したソフトバンクは、打力でオリックスを上回るので優勝と予想した。西武は投手力がそろっている。外国人で打線が機能すれば上に行く力はある。日本ハムは若い選手が伸びているので台風の目として注目している。 

 【矢野燿大氏、ソフトバンク・投打のバランス◎ 普通にやれば優勝】ソフトバンクは投打のバランスが良くなった。山川の加入で凄い打線になったし、投手陣も厚みがある。普通にやれば間違いなく優勝争いできるチームだ。オリックスは山本、山崎が抜け、300イニング、貯金で言えば15くらいのマイナス。宮城を中心に据える可能性はあるが予想は2位にした。日本ハムは新庄監督がやってきたことが形になりつつある。競争の中で万波、野村が出てきて外国人も面白い補強。ムードがグッと上がる要素はある。

 【亀山つとむ氏、注目の日本ハムは大補強でやる気「クビ覚悟」で勝負を】オリックスとソフトバンクの2強とみるが、注目は日本ハム。キャンプで新庄監督と話したが、FAで山崎や新外国人、トレードなど球団から大補強してもらって、かなりやる気になっていた。「今年、Bクラスだったらクビですから」とも言っていたし「じゃあ、自分で順位予想してみて」と言ったら「3位」と答えたのは、新庄監督らしい。この2年はファンに楽しんでもらえる野球をしてきたが、今年は勝負に徹する姿も見られそうだ。

 【大野豊氏、ソフトバンク・得点力アップ&モイネロの先発転向】オリックスとソフトバンクで優勝を争う展開だと思う。オリックスは山本と山崎が抜けた穴をどう埋めるか。山下、東といった若手がいるが、両者とも1年間活躍した経験がない。中嶋監督は勝ち方を知っているだけに大きく落ち込むことはないとは思うが、埋め合わせできるかは不安。山川も加わり、ソフトバンクの得点力は上がる。モイネロが先発に加わったのも大きい。いずれにしてもパ・リーグは混戦というか盛り上がる展開になる。

 【赤星憲広氏、オリックス・西川加入で攻撃バリエーション増加】戦力的にはソフトバンクかオリックス。山本、山崎の2人が抜けたのは大きいが、投手力はこれでソフトバンクといい勝負。一方、モイネロを先発に回すソフトバンクは打線のカバーが絶対に必要。オリックスも西川の加入で攻撃のバリエーションが増える。面白いと思うのは日本ハム。いい選手がそろい始めて、外国人も機能すればAクラスはある。ロッテは佐々木が1年バリバリ投げて、タイトルを総なめにするようになれば下にはいない。

 【関本賢太郎氏、ソフトバンク・オリと投手力互角も打力は負けない】山本、山崎が抜けて、やっとオリックスとソフトバンクの投手力が互角になった。打力では客観的に見て、ソフトバンクが上。競ったらソフトバンクがわずかの差で上回るとみている。オリックスは中継ぎにプラスアルファが出てくることがリーグ4連覇の条件だと思う。この2強を崩すには、とんでもない成績を残す必要がある。ロッテはソトの加入で、攻撃力は2強に次ぐものになっている。西武も投手力があるので、上に行く力はある。

 【能見篤史氏、ソフトバンク・2枚抜けたオリとの直接対決で有利】ソフトバンクは打線の線としてはいい形になっている。優勝争いのポイントはオリックスとの直接対決。昨年まで山本が節目節目で勝って、3連覇できた。山本、山崎の穴というのは埋まらない。そういう意味でオリックスを1位にはできなかった。西武は一番強力な先発陣を持っているし、日本ハムの投手の能力も高い。球の制御に苦しんでいたロッテの佐々木は、オープン戦の最後に結果を出した。これをシーズンで維持できるか注目だ。

 【若菜嘉晴氏、ソフトバンク・1番周東から「最強クリーンアップ」】ソフトバンクは山川が入ったクリーンアップが最強だ。1番の周東が出塁率3割で50盗塁すればホームラン以外でも点が取れる。控えに回りそうな中村晃もいろいろなところで使える。西武はとにかく投手がいい。打線がある程度、点を取れば上位に食い込んでくるだろう。3位はオリックスにした。優勝には絡むだろうが、山本、山崎の抜けた“27勝”は大きいとみる。ソフトバンクが昨季、優勝を逃した主な要因は千賀の穴だったからだ。

 【杉本正氏、ソフトバンク・課題の先発を“新加入コンビ”が補う】ソフトバンクは山川、ウォーカーの加入で打線に厚みが出た。投手陣の課題は先発だったが、今年は打線が助けてくれそう。15勝には届かなくても、2桁勝つ投手が4人くらいは出てくるだろう。楽しみなのは西武。渡辺久信GMの掲げる投手王国へ、左腕の隅田、新人・武内に注目したい。救援は増田の状態が気がかりだが、新加入の甲斐野が機能すれば優勝争いもできる。3連覇中のオリックスは絶対的エースが不在で、3位予想とした。

 【岸川勝也氏、ソフトバンク・ケガ以外不調ない山川の加入大きい】ソフトバンクは山川の加入が大きい。ケガ以外で不調になることはなさそうで、タイミングの取り方は上手。西武の時のように一人でホームランを打たなければいけない打線ではない。柳田、近藤、山川自身へもかかる負担が減るだろう。心配は1番打者。周東はスイング自体が変わったわけではないし、劇的に出塁率が上がるのかどうか。試合巧者のオリックスは勝ち方を知っている。日本ハム、西武は新外国人選手が機能しそうな雰囲気。

 ≪ソフトバンク、オリックス「平均値」大接戦≫スポニチ評論家23人によるパ・リーグ順位予想で「平均値」を算出した。1位=6点、2位=5点、3位=4点、4位=3点、5位=2点、6位=1点で計算。上位2チームのデッドヒートの様相となった。1位はソフトバンクで5・52点、2位はオリックスで5・30点。その差はわずか0・22点で、1位予想に挙がったのもこの2球団だけだった。楽天は苦しく12球団ワーストの1・30点。23人のうち17人が最下位予想だった。

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2024年3月27日のニュース