ツインズ・マエケン 678日ぶり白星!続投志願し5回無失点8K「この瞬間のために頑張っていた」

[ 2023年6月25日 02:30 ]

ア・リーグ   ツインズ4―1タイガース ( 2023年6月23日    デトロイト )

タイガース戦でガッツポーズするツインズ・前田
Photo By ゲッティ イメージズ

 ツインズ・前田健太投手(35)が23日(日本時間24日)、タイガース戦で5回3安打無失点で8奪三振の力投。5回2死では続投を志願し、右肘の手術を乗り越えて678日ぶりとなる復活の白星を手にした。

 前田は右手人さし指を1本立てて、首を振りながら何度も「ワンモア!」と繰り返した。

 「とりあえず“NO”という言葉を連呼した。英語がちゃんと伝わったか分からないけど“もう1人”とお願いした」。勝利投手の権利まであとワンアウト。5回2死一、二塁のピンチで、ジェイス・ティングラー・ベンチコーチがマウンドにやってきた。ブルペンからも一度、救援投手モランがグラウンドに姿を現す。交代か――。しかし前田は強い口調で続投を直訴。熱意が伝わり、1番マッキンストリーをフォークで空振り三振に仕留めてガッツポーズだ。

 「この瞬間のために頑張っていたと言っても過言じゃない。リハビリ期間やなかなか勝てない時期が、この1勝で全て報われた。凄く楽になった」

 長かった。21年9月に右肘じん帯再建術(通称トミー・ジョン手術)を受けた。2シーズンぶりに開幕を迎えたが、4月は4連敗。同26日のヤンキース戦を最後に右上腕の張りで負傷者リスト入りした。「もしかしたら、キャリアが危ないのかな」――。そんな不安にも襲われた。リハビリ中も「(手術前と)同じ感覚で投げているつもりでも違うところがあった」と、悩みながらフォームを修正。苦しんだ先に21年8月14日のレイズ戦以来、実に678日ぶりの白星が待っていた。

 「初回は緊張したけど、0点に抑えられて冷静になれた。久しぶりに勝てて本当にうれしい。チームメートに感謝したい」。チームは3連勝で地区首位。復活を遂げた前田には、これからたくさんの仕事が待っている。

 【前田の復帰初勝利まで】

 ▼21・8・21 ヤンキース戦で右前腕の張りを訴え5回途中5失点降板。同23日に負傷者リスト(IL)入り。

 ▼同9・1 右肘じん帯再建手術。従来の一般的な腱移植だけではなく、復帰まで大幅短縮される人工部品を使った「ハイブリッド手術」を受けた。

 ▼同9・6 自身のYouTubeチャンネルで「200勝という最大の目標のために受けた」と説明。

 ▼22・3・14 春季キャンプ初日は完全別メニュー調整。18メートル程度のキャッチボール。

 ▼同8月 フロリダ州の球団施設でブルペン投球再開。

 ▼同9・17 術後2度目の打者相手の投球を行ったが「来年の復帰を目指している」と語る。

 ▼23・4・4 マーリンズ戦でメジャー復帰登板。6回途中3安打1失点、9奪三振も援護なく今季初黒星。

 ▼同4・29 4連敗後、右上腕部の張りでIL入り。

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