DeNA・東、無四球完封で虎と0.5差 今永に続いた、球団左腕70年ぶり2戦連続完投勝利

[ 2023年6月25日 05:30 ]

セ・リーグ   DeNA2―0阪神 ( 2023年6月24日    横浜 )

<D・神>完封勝利を挙げ、天を仰ぎながらグラブを叩いて喜ぶ東(撮影・北條 貴史)
Photo By スポニチ

 DeNAの東克樹投手(27)が24日、阪神戦で今季2度目の完封を果たして7勝目。被安打5で9三振も奪った。チームは首位攻防3連戦で2連勝を決め、最大で6.5ゲーム差あった首位に0.5差まで肉薄。初戦では今永昇太投手(29)が完投勝利をマークしており、左腕による2試合連続完投勝利はチームでは1953年以来、実に70年ぶりの快挙だった。

 3万3190人の視線を一身に浴びた。116球目で27個目のアウトを奪った東が感情を解放。天を見上げてグラブを叩いた。被安打5の無四球完封。「僕にとってこの1勝は大きい。いろんな球種で三振を取れたのは収穫」と笑顔がはじけた。

 会心の投球で白星をつかんだが、実は試合終盤まで緊張していた。前夜に交流サイト(SNS)を見ると本拠地での阪神戦は昨季から11連勝中であることや本拠地のデーゲームは今季負けなしなどの情報があり「緊張して寝つけなかった」という。マウンドに上がっても緊張は変わらなかったが、球威、制球ともに抜群。2回無死一、二塁のピンチをしのぐと、その後は得意のチェンジアップもさえて二塁も踏ませず9三振も奪った。

 20年2月に「左肘内側側副じん帯再建術(通称トミー・ジョン手術)」を受け、21年、22年はともに1勝。患部の保護と焦りで上体の筋肉量を増やし、体の切れを失った。投球バランスも崩れ、真上からのリリースポイントでは体が横振りとなり制球も不安定に。そこで今季からリリースポイントを少し下げ、打者に力強く向かう縦振りのフォームづくりに努めた。すると制球も安定。今季の与四死球は10試合、69回2/3で6だ。

 これで球団記録を更新する阪神戦本拠地12連勝。貯金を今季最多11とし、首位と0.5ゲーム差とした。前日の今永に続く、左腕による2試合連続完投勝利はチーム70年ぶりの快挙だが、三浦監督は「まだまだ先は長い。いい形で勝てたので、流れをつなげていくだけ」と冷静に語った。

 父の日だった18日。宝物が増えた。2歳の長女から手づくりの紙ネクタイをプレゼントされた。リーグ2位の7勝目を挙げたが、満足はしない。98年以来のリーグ優勝を信じて応援してくれるファンに、愛する家族に、まだまだ白星を届ける。(大木 穂高)

 ≪21年に今永→ロメロ≫DeNAは東が完封勝利。前日の今永から2試合連続完投勝利となった。DeNAの2試合連続完投勝利は21年9月19、20日の中日戦での今永、ロメロ以来。左腕2投手に限ると洋松時代の53年9月28、30日の広島戦での有村家斉、権藤正利以来70年ぶりだ。なお、権藤はドロップを武器に球団左腕では歴代3位となる70勝をマーク。55~57年には連続シーズンのプロ野球記録として残る28連敗を喫している。

続きを表示

この記事のフォト

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2023年6月25日のニュース