英明・遠山君 天国に勇姿はきっと届いている 祖父との“夢”甲子園出場果たし、教え通りのフルスイング

[ 2023年3月26日 07:00 ]

第95回選抜高校野球大会第7日・3回戦   英明8―9作新学院 ( 2023年3月25日    甲子園 )

<英明・作新学院>9回、代打で出場した英明・遠山
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 【いっちーの球春胸キュン日記】英明の遠山至祈(とうき)君(3年)は大のおじいちゃん子。ソフトボールチームの監督をしていた祖父・義文さんお手製の練習場で、物心ついたときからボール遊びをしていました。小学1年生になると至祈君も義文さんのチームに入り、同居する家での会話もソフトボールや野球の話が増えたと言います。 日程&結果

 しかし、小学5年生の1月に義文さんが持病の発作で急逝。大好きな祖父との突然の別れにも、11歳の至祈君はあふれそうな涙を必死に堪えました。

 2人の夢だった甲子園出場をかなえるために英明に進学することを決意。入寮の際には「お守り代わりに」と、義文さんとの練習で使用していた木製バットを持参しました。結果が出ない時は「自分から逃げたらいかんよ」という言葉を思い出し、お守りのバットを振り続けました。

 代打の切り札としてベンチ入りした約束の場所。晴れ舞台は、1点劣勢で迎えた9回2死一、三塁という一番の山場でした。代打起用され、義文さんの教え通りフルスイング。三ゴロに終わり、試合後は泥だらけの袖で悔し涙を拭いました。

 「一番うれしいはず」と語る母・由見子さんのかばんの中には、義文さんの写真がありました。約束を果たしてくれた孫の勇姿を、祖父はきっと喜んでいます。

 ◇市川 いずみ 京都府出身のフリーアナウンサー兼ピラティスインストラクター。山口朝日放送時代に高校野球の実況で「ANNアナウンサー賞最優秀新人賞」を受賞。今春に早稲田大学大学院スポーツ科学研究科修士課程を修了。野球選手の障害予防が専門。

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2023年3月26日のニュース