トヨタ自動車・加藤泰靖 DeNA2位・吉野の「17」受け継いだ153キロ右腕「プラスになれるよう」

[ 2023年3月26日 17:39 ]

トヨタ自動車・加藤

 トヨタ自動車の背番号17を受け継いだのは、新人・加藤泰靖だった。前任者の吉野光樹が、DeNA入り。上武大の2学年後輩にあたる加藤が、出世番号を任されることとなった。

 「吉野さんは大学時代から研究熱心だった。食事にも私生活にもこだわっておられましたし、自分も見習っていた。17のプレッシャーは大きいですが、期待に応えられるよう長所を伸ばしスキルアップしていきたい」

 その境遇は、重なりあう部分が多い。加藤は千葉の進学校・志学館の出身で、高校2年までは「自分の野球に可能性を感じず、上でやるつもりはありませんでした」と振り返る。吉野も九州学院では控え投手で、上武大を進学先に選んだのは「野球に踏ん切りをつける」ため。つまり、ともに投手としての頭角を現したのは、大学に入学してからだ。

 一方で、加藤には非凡な才能があった。高3夏には最速146キロをマーク。頭脳派右腕らしく「自分で考えてやらないと上には上がれない」という探究心も味方につけ、上武大では部員200人超えという過酷な競争を勝ち抜いた。

 「力のこもった真っ直ぐが持ち味だと思います」

 スリークオーターから投じるストレートは、最速153キロを計測するまでになった。3年春には無理がたたり右肘を痛めたが、故障を乗り越えたことで「また一つレベルを上げることができた」と前向きにとらえられる経験となった。加藤は言う。

 「トヨタの投手陣のレベルはすごく高い。短いイニングからのスタートになると思いますが、その中でも経験から学べることはある。少しでもチームにとってプラスになれるようやっていきます」

 見方を変えれば、生きた教材があふれるトヨタ自動車。持ち前の理解力と観察眼も最大限発揮しながら、己の腕を磨く。

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2023年3月26日のニュース