東芝連覇へ3連勝 ルーキー北村“侍魂”120球1失点完投、先輩・吉田、高橋が刺激

[ 2023年3月9日 05:20 ]

JABA東京スポニチ大会第3日Aブロック   東芝4-1王子 ( 2023年3月8日    浦安 )

<東芝・王子>完投勝利を挙げた東芝先発の北村。後方には東京ディズニーシーのプロメテウス火山(撮影・河野 光希)
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 予選リーグ8試合が行われ、決勝トーナメントに進出する4チームが決まった。連覇を狙う東芝は王子を4―1で下して3連勝。新人左腕・北村智紀投手(22)が社会人では初の完投勝利を飾った。準決勝と決勝は、9日に行われる。

 背番号19のルーキーが、最後までマウンドを守り抜いた。北村が120球を投じ、被安打8ながら1失点完投。社会人公式戦初先発で大仕事を成し遂げ「最初は良くなかったけど後半は徐々に上がってきた。ギリギリの場面で粘れた」と語った。

 直球の最速は130キロ台だが、それをカバーする制球力がある。3点リードの7回1死一、二塁。前打席まで2安打の前田を狙い通りに内角直球で投ゴロ併殺に斬り、グラブを叩いて喜んだ。終盤はさらにギアを上げ、8、9回はともに3者凡退に抑えてみせた。

 Aブロックで2勝で並んだチームとの決戦。平馬淳監督は大会前から予選リーグ3試合目の先発を北村に通告していた。「ここがキーだと思っていたので決めていました。青学大のエースですから」と指揮官。ヤクルトにドラフト1位で入団した吉村の背番号を受け継ぐ左腕は「いい背番号をいただいたので、期待に応えられるように頑張る」との思いをマウンドで実践した。

 今回のWBCで世界一奪還を目指す侍ジャパンに2人の先輩がいる。高橋奎(ヤクルト)は龍谷大平安、吉田(レッドソックス)は青学大の先輩だ。「野球の最高峰を争う大会だからテレビは見る。応援しています」。特に同じ左腕の高橋奎への憧れは強く「全てにいいボールを持っていて尊敬している」と目を輝かせる。

 大会連覇に向け、最初の関門を突破した。「僕の出番があるか分からないけど、もう一回、優勝できるチャンスがある。できれば優勝したい」と北村。あと2勝。その目は頂点だけを見据えている。(伊藤 幸男)

 ◇北村 智紀(きたむら・とものり)2000年(平12)5月19日生まれ、滋賀県出身の22歳。野球は信楽小3年から軟式で開始。龍谷大平安では3年夏の甲子園に出場も3回戦で日大三に敗戦。青学大では東都大学リーグ(1部)で2完封を含む通算7勝をマーク。1メートル75、78キロ。左投げ左打ち。

 ▼王子・湯浅貴博監督(東芝を上回る8安打も1得点で敗戦)拙攻が痛かった。でも今大会で2勝して3戦目に課題が出ての敗戦。収穫はあった。

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