イチロー氏が考える「老い」とは 大好きなスポーツができなくなったらどう思う

[ 2023年1月19日 11:52 ]

自身初のインスタライブで様々な質問に答えたイチロー氏 (C)オリックスグループ「SMILE ON」
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 日米通算4367安打を放ち、日本野球界のレジェンドでもあるイチロー氏(49=マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)が18日、オリックスグループ公式インスタグラム「SMILE ON」(@orix_smile_on)で、自身初となるインスタライブに登場。相談ライブ「イチ問一答」と題して、ファンからの仕事、恋愛、人間関係、人生など幅広い悩み相談に答えた。

 相談は「大好きなスポーツが年齢とともに続けるのが辛くなってきた。どのように“老い”と向き合ったらいいか」というシンプルかつ、難しいものだった。「まあ、人は老いますよ。もっと言えば、生きるということは老いること。そんなのあるじゃないですか。生まれたからにはそれが宿命ですから」と話したイチロー氏だが、「ただね、大好きなスポーツができなくなってしまう。その失望感、喪失感、絶望感。それは大変ですよ」と語った。

 自らも2019年3月、46歳になるシーズンで惜しまれながら引退した。大好きなスポーツができなくなる、実体験がある。「それを認めるのに、しばらく時間が掛かるだろうし、でも、体はどうしたってそうなっていきます。だけど、心、気持ちは張りがある生き方をしていたら、ずっとある。それを見つけてほしいですね」と語った。

 もちろん、簡単な事ではないと認めている。「なかなか、僕だったら野球と同じように、情熱を注げるものがあるか。今、それを問われたら、ないです。もし今、野球ができなかったら、確かにどうしていいか分からないです」と正直に明かし、「でも、それに向かって行けた自分もいるから、何かあると思うんです。それを見つけてほしい」と助言した。

 司会者から「イチローさんは老いを感じていますか」と質問が飛んだ。「だって、それは見た目に老いていくし、仕方ない。今年50になりますけど、それは映像とかで見たら、こんなに変わっているのか、自分でも思います。でもそれは当たり前」と話し、そのうえで「気持ち、心、あとは体の中から出てくるエネルギーってないですか。これがそういうものを失っていくと、なんかネガティブになって、沈んでしまう。それはできるだけ短くしたい。何かに夢中になって、できたら、それは年齢関係なく、この人は元気だなとか。陰とか陽とかある、それは持っていてほしいですね。それが何かは人それぞれなんですが、見つけてほしい」とかみ締めて話した。

【インスタライブを終えたイチロー氏と一問一答】

 ――インスタライブ初挑戦はいかがでしたか。
 「緊張感、半端ないです(笑)。もうちょっと気楽なものかと思っていたんだけど、いや~、ビックリしましたね。でも、反応がすぐに見られるというのが、僕にとってはすごく新鮮で、初めての体験ですごく面白かったです」

 ――様々な悩みを聞いて、どうでしたか。
 「やっぱり、みんな悩んでいるんだなって、改めて思いました。おそらく、悩みをお持ちの方は色んな人に相談するだろうし、今回、こういう機会もあったりして、悩みが解消されたら、きっと次の悩みが生まれて、最後何もなくなったと思ったら、最終的には悩みがないことが悩み、という感じになるのではないかな。だから常に悩みはあるだろうなと思いました」

 ――ご自身で新たに発見できたことは。
 「ええっと、僕はやっぱり、こういう局面で強くないなと思いましたね。この機会を大きな経験値として、日記に書く日にしたいと思います」

 ――どのあたりで、うまくないと。
 「言葉も出てこないし、頭で整理している間に時間が進んでいってしまうので、もうちょっとポンポン出てくるといいなと思ったんですが、なかなかそうはいかなかったですね」

 ――イチローさん自身の悩みはありますか?
 「いやいや、あるよ!あるけど、きょうのこの立場はそれを言ってはダメなので、言いません」

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2023年1月19日のニュース