大谷が語った「例年通り」の調整とは 一昨年の3・21は渡米後最速164キロを計測

[ 2023年1月19日 07:30 ]

エンゼルスの大谷翔平
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 珍しい…というか、この類いの投稿は初めてだった。驚き、喜んだファンの方々は多かっただろう。

 エンゼルスの大谷翔平投手(28)が14日にインスタグラムを更新し、渡米したことを明かした。「Good bye Japan Hello US」と記し、飛行機からの夜景や機内食の画像をアップした。実際に渡米したのは投稿前日の13日だったという。

 昨年10月18日に帰国し、3カ月弱の滞在。報道陣への取材対応は帰国日と1月6日の侍ジャパンの会見の2回に限られ、その他はスポンサーの撮影を除き、トレーニングに集中した。3大会ぶりのワールド・ベースボール・クラシック(WBC)1次ラウンド初戦は3月9日の中国戦。レギュラーシーズン開幕より約3週間早い“本番”に向け、調整を早める選手が多い中、1月6日の会見で大谷に調整具合について聞くと、次のような答えが返ってきた。

 「調整は例年通り。今のところ、ペースは去年、一昨年と同じようにできています。本当に体調が良いことだけが、今のところ良い方向と思うので、このままの流れでいければ、良い状態で臨めると思っています」

 昨年は労使交渉で約1カ月遅れの3月14日にキャンプがスタート。2日目の同15日の会見では「年明けから、その前から、しっかりやってきている」と話し、既に投打ともに100%に近い状態だった。一昨年のキャンプでは、2日目の2月17日の会見で「ブルペンは例年より早く入っていた。打撃もある程度だいぶ“ライブBP(実戦形式の打撃練習)”もやってはきた。あんまりキャンプ前にやったりしないですけど、そういうのも多かった」と語っていた。今年も2月には投打で実戦に入り始め、2月中旬~3月には100%に近い状態になっているということか。大谷の説明を踏まえると、投打で奮闘としたこの直近2年間の調整ペースを参考に今オフを過ごしていた可能性が高いのだろう。

 実際、昨年12月初旬時点には、既に入念に筋力トレーニングに励み、キャッチボールやマシン打撃などで投打の練習に取り組んでいたという。1月6日の会見で大谷に「調整ペースを上げていない理由」について突っ込んで質問できなかったことは、担当記者として詰めが足りなかったと反省したい。ただ、日本ハム時代からの担当記者として断言できる。大谷は徐々に調子を上げて3月19日(日本時間20日)からの決勝ラウンドに向けて仕上げるタイプではない。3月9日の初戦には、100%の状態で臨んでくるに違いない。

 現時点で日本代表は、WBC管轄外の2月25、26日のソフトバンク戦など壮行試合4試合にメジャー組が出場できるようにMLBと交渉中で、メジャー組の合流時期は依然として不透明だが、今はメンタル的に、そして技術的にどんな準備を意識しているのだろうか。ちなみに、大谷が渡米後最速の101・9マイル(約164キロ)を計測したのは、一昨年の21年3月21日のパドレスとのオープン戦。今年は同じ「3・21」に米フロリダ州マイアミのローンデポ・パークでWBCの決勝戦が行われる。(記者コラム・柳原 直之)

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