イチロー氏が「最高の道具」にこめる思い「技術がそこに追いついてくることで満足感を味わってほしい」

[ 2023年1月19日 11:34 ]

自身初のインスタライブで様々な質問に答えたイチロー氏 (C)オリックスグループ「SMILE ON」
Photo By 提供写真

 日米通算4367安打を放ち、日本野球界のレジェンドでもあるイチロー氏(49=マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)が18日、オリックスグループ公式インスタグラム「SMILE ON」(@orix_smile_on)で、自身初となるインスタライブに登場。相談ライブ「イチ問一答」と題して、ファンからの仕事、恋愛、人間関係、人生など幅広い悩み相談に答えた。

 質問は道具に関するもので「風景写真を撮りたい。一眼レフカメラを買いたいが、初心者なのに最初から良いものを買った方がいいか。それとも上達するまでは安いカメラで我慢すべきか」というものだった。「カメラのことは全く分からない」というイチロー氏だったが「最終的には良い道具を持ってほしい。それはどの世界でも同じ」とキッパリ答えた。

 ただし、見切り発車には注意を促す。その理由に「初心者の方で、それは難しいことなんでしょ? 技術的に。そのときにあまりにも距離が遠いと、自分の実力と機械のレベルが全くマッチしていない状態だと、おそらく上達している感触を得られないと思うんですよね。永遠に近づいてこない。これはまずいと思います」と、力量からはるかに超える道具はやめるべきとの助言だった。

 「手の届くところで、自分の力に見合ったもので、徐々にレベルが上がっていく。それは手応えを感じられていいと思う。趣味で持つものだったら、一番良いものを持って、撮れて、眺めているだけで幸せというものはあると思う。それはそれでいい。プロを目指されているのか分からないですが、やはり徐々にがいいですね。人間って、手応え、達成感とか満足感、あればあるほどいい。それが一番良い一眼レフのカメラ買いました。それで満足は違うと思う。自分の技術がそこに追いついてくることで満足感を味わってほしい」

 技術を磨くことで、最高級の道具がいきる。その経験談のきっかけも明かした。「僕は、小学5年生までは毎年ボロボロになるレベルのグラブでした。それでは道具に対する愛着は生まれない。小学6年生の時に僕は軟式でしたが、硬式の一番良いグラブを買ってもらったんです。感動しちゃって、その時のグラブの香りとか忘れないし、ずっと使いました。枕元に置いて、それからですね、僕が道具を大事にする気持ちが強く芽生えたのは」。だからこそ「最終的に良いものを持つのはいいことです」という。

 最高の道具を持つと、同時に技術も高くなるのか。「関係ありますよ。大事にする、プレーも。一つのゴロ、フライを捕るのも自分に染みこんでくる。どうでもいい道具を使っていたら、それが遅いんです。それに気づけない。(道具を)大事にするって、凄く大事です」としみじみ語っていた。

続きを表示

2023年1月19日のニュース