広島・栗林が新フォーム披露、左足上げて球速も上げる 「勢いつけられれば、もっと打者と勝負できる」

[ 2022年11月10日 05:00 ]

左足を高く上げる投球フォームを試す栗林(撮影・河合 洋介)
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 広島・栗林良吏投手(26)は9日、日南秋季キャンプ第1クール2日目に今秋初めてブルペン入りし、新フォームを披露した。左足を高く上げる形を試すなど直球のみ43球を投じた。直球の球威向上を目指して挑戦。抑え投手が異例といえる秋季キャンプでの投げ込みを行い、さらなる進化へ試行錯誤を続ける。 

 栗林は何度も左足の上げ幅を変えた。今季のクイック気味の投球姿勢に加えてセットポジションから左足を高く上げる形でも試投。披露した新フォームの狙いは、球速アップだという。尽きない向上心が新たな挑戦へと突き動かしている。

 「他の投手が足を(高く)上げて投げているということは、それだけ勢いをつけられるということ。自分も勢いをつけられれば、もっと打者と勝負できると思う。平均球速も上げたいし、レベルアップを目指して足を上げて投げられればいい」

 左足を胸付近まで高く上げて一瞬静止する形など、本人いわく「3、4パターン」の左足の上げ幅を試した。「球が強くなるのであれば、足を(高く)上げた方がいいかなと思う」と直球の球威を確認するため、投じた43球は全て直球だった。

 昨季や今季開幕時は左足を高く上げていた。開幕直後に制球の安定を目指し、クイック気味のフォームに変更。狙い通りに与四球数は昨季「28」から今季「15」と減少した。それでも、今季の形を継続すべきかは、キャンプ期間を利用して冷静に見極めるつもりだ。

 「直球で勝負しきれなかったのが課題だった。シーズン中はフォークやカットボールを多めに投げていた。直球で押せれば相手も嫌だと思う」

 今季の直球の割合は全体の42%で昨季の44・1%と同等。さらに今季、昨季ともに直球の平均球速が149キロ(共同通信デジタル「TSUBASA」参照)で同じだった。つまり今季のクイック気味の投球フォームでも球威が衰えることはなかった。それでも現状に満足することはない。

 「何か変えないと上には行けない。せっかくこうして体づくりをしているので、力強い投球フォームにできればいいかなと思う」

 そもそも抑え投手が秋季キャンプで全力投球すること自体が異例と言っていい。「体は10月に休められた。せっかくキャンプに来たので、11月は追い込めるだけ追い込んで投げたい」。絶対的守護神が秋も進化を続けている。(河合 洋介)

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2022年11月10日のニュース