阪神・岩貞が残留 3年契約「全部優勝」宣言!“師匠”能見の背番14継承「ずっと追いかけてきた」

[ 2022年11月10日 05:15 ]

阪神残留を決め虎マークを背に気持ちを新たにする岩貞
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 阪神の岩貞祐太投手(31)が9日、兵庫県西宮市内の球団事務所を訪れ、国内フリーエージェント(FA)権を行使せずに残留することを表明した。宣言期限最終日に決断し、新たに3年契約を結んだことを明かした。契約金は3年総額3億円(金額は推定)。同時に、背番号を「17」から変更すると発表。今季限りで引退したオリックス・能見篤史氏(43)が阪神時代につけた「14」にする。岩崎、西勇に続き、今季FA権を取得した実力派トリオがそろって残留。岡田新体制は大きな戦力ダウンをせずに来季へ向かう。 

 岩貞は期限ギリギリまで悩んだ。昨年の契約更改の席の「自分を必要としているのかなと感じた」というやりとりが引きずり、FA権取得を契機に、「このチームに居場所がないのなら他で探すのが自然な流れ」と新しい道を覚悟していた。

 しかし、シーズン終了後に球団と交渉を重ねると、昨年抱いた疑念は思い違いで、「想像よりもいい評価をもらった」。一方で、ドラフト1位で13年に入団してから9年かけてつかんだ権利。他球団の評価も知りたかった。気持ちは揺れに揺れ、最後は「阪神のユニホームを着て優勝したい」という気持ちが勝って、この日決断した。3年契約。金額は推定で3年3億円。腹を決め「3年全部優勝する。それしかない」と宣言した。

 背番号も一新する。入団から背負った17から14に変える。今季引退したオリックス・能見の阪神時代の番号をつける。公私で慕い、投球術、プロとしての心得を間近で吸収させてもらった「ずっと追いかけてきた方」だ。

 その先輩が20年オフに去った時に、変更を申し出ようとしたが自重した。「見合った成績でもない。それで遠慮した」。自己最多53試合に投げた今年は、球団から打診を受け、能見に断りを入れてから、喜んで受けた。成績でも存在でもチームにエネルギーを与えられる存在に――。球団から14を任される意味を「察している」と深くうなずいた。

 18年ぶり優勝を狙う岡田新監督にとって、経験豊富な左腕の残留は大きな意味を持つ。勝ちパターンの投手だけでなく、同点や僅差のビハインドの状況で投げる投手も重要だと、就任後から口にしてきた。自ら指揮を執ってリーグ制覇した05年は、勝ちパターンの「JFK」(ウィリアムス、藤川、久保田)と、接戦パターンの「SHE」(桟原、橋本、江草)が存在した。岩貞は、両方での活躍が期待できる左腕だ。

 31歳になった今季は、オフのトレーニングの成果が出て、150キロ台を連発するようになった。クライマックスシリーズでも3試合に登板した。衰えるどころか、伸びしろを感じさせる。43歳まで投げた能見のような息の長い活躍は、現実的な目標だ。(倉世古 洋平)

 ▼阪神・嶌村球団本部長 先発の柱である西(勇)と、岩貞、岩崎の3人は戦力として欠かせないピース。(FA有資格者の)3人が3人とも残ってくれてありがたい。30歳代はまだまだ若いし、組織の構成上必要(な年齢)。

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2022年11月10日のニュース