ヤクルト高津監督 日本シリーズでの高橋完封、実は9回に「代えようと」「ここだけの話…」

[ 2022年1月3日 20:52 ]

ヤクルト・高津監督
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 ヤクルトを20年ぶりの日本一へ導いた高津臣吾監督(53)が2日に放送されたTBSラジオ「日本生命presents石橋貴明のGATE7」(日曜前7・00)にゲスト出演。オリックスと対戦した昨年の日本シリーズ第2戦で、シリーズ初登板ながらプロ初完投初完封の離れ業をやってのけた高橋奎二投手(24)の“完封秘話”を明かした。

 野球に造詣が深く、パーソナリティーを務めるお笑いコンビ「とんねるず」の石橋貴明(60)と1時間に渡って新春トーク。その中で、日本一へのターニングポイントとなった高橋の快投に触れた。「あれで日本一に近づいたっていうか、まだ2戦目だったんですけど、あの完封はメチャクチャ大きかったですね」。開幕戦で守護神マクガフが1死も取れずに3失点してサヨナラ負け。重苦しい空気の中で迎えた第2戦では相手の先発左腕・宮城に打線が5回まで完全投球を許し、0―0のまま7回まで試合が進行した。

 息詰まる投手戦の中、日ごろから球数が少ない方ではなく5回や6回で100球に達して交代というパターンの多い高橋を注意深く見守っていたところ、この日も6回までに86球。決して少ない球数ではなかったが「7回ぐらいからグーッと上がったんです。球速が落ちなかったんです。変化球もストライク入り出して。合わなくなってきたんです、向こうが。これは代えれねーなって思って」と高津監督。

 なぜ、これまでと違ってそういうことになったかという石橋の疑問に「これ、正解か分からないですけど、CSでヤス(奥川)を初戦で先発させたじゃないですか。で、ジャイアンツを完封したんですよ。それも初完封、初完投。で、2戦目に高橋奎二投げて。それで6回を抑えて。そんなことシーズンなかったわけじゃないですか、最後まで投げさせるって。なかったことがCSと日本シリーズで起こるわけですよ。それがプレーオフなのかな、と。シーズンではあり得ないことが起きていく」と答えた高津監督。「う~…。サブイボ出た!」という石橋に「そうなんですよ!」と若手投手の急激な成長についてうれしそうな声を出した。

 それでも「最後は代えようと思いましたけど。9回は」と突然ポツリ。石橋が「そうなんですか?」と苦笑する中、高津監督は「9回表にもう1点取って2―0になったんで、これで“いこう”と思って」と8回までに122球を投げていた高橋を9回も続投させる方向へ方針転換した瞬間を明かした。そして「1―0で…」と言いかけ「ここだけの話ですよ?言わないでくださいよ?」とちゃめっ気たっぷりな声で口にした高津監督。「絶対言わないです」と笑いながら答える石橋に「絶対に言わないですか?」と念押しした後で「(9回の)先頭・吉田正尚だったんですよ。吉田正尚だけ投げさそうと思ったんですよ。その後のラオウから、杉本くんからマクガフを投げさそうと思って」と打ち明けた。

 「したら、9回の表にもう1点取ったんで、じゃあ、最後までいこうと。…ってなったんです」と高津監督。「マクガフを信頼してて。吉田だけは左の奎二の方が抑えるだろうと思って。最初は1人だけいかそうと思ってたんです」と話していた。

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