日本ハム・新庄監督 各界10人の“ご祝儀”質問にNGなしの1発返答

[ 2022年1月1日 05:30 ]

新庄監督
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 新年初笑いだ!日本ハムのビッグボスこと新庄剛志新監督(49)が、スポニチ本紙が各界の著名人10人から募集したバラエティーに富んだ計10個の質問にNGなしで返答。球界改革への野望や仰天采配、さらに下着へのこだわりや好きな女性のファッションまで、ぶっちゃけトークを披露した。3年連続Bクラスから巻き返しを狙う2022年。引き続き、この男からは目が離せない。(聞き手・東尾 洋樹、和田 裕司)

 ――最近のチームの低迷ぶりはOBとしても心配。どうやって勝つチームをつくるかを、ぜひ聞きたい。勝てばもちろん“大あっぱれ”で、ダメだった場合は“喝”だ。(張本勲氏・スポニチ評論家)

 「まずはライバル意識を持たせることですね。毎試合、“俺にアピールしよう”という選手が試合に出れば、常に先の塁を狙おうとしますよね。そういう野球で勝ちにいきたい。だから気持ちの野球。技術的なことは、みんなやってるんですよ。そこに“きついなぁ”とか“調子悪いなぁ”という気持ちが入ることで、技術も向上しないし、成長も止まる。気持ちの大切さを分からせるチームにすれば、みんなが燃えてくる。“俺が試合に出たい”という気持ちにさせるのが、自分の一番の野球かな、と思います」

 ――日米の野球を経験したビッグボスですが、例えば2番はどんなタイプの打者を置くのか。バントでつなぐのか、強打者なのか。(赤星憲広氏・スポニチ評論家)

 「野球で一番、打順が回ってくるのは何番ですか?1番でしょ?だったら、その月の一番いい打者順に並べたらよくないですか?だから2番に誰が来るかは分からない。はい、5月の打順、はい、1番は誰、2番は誰、と。それでよくないですか?何でホームランバッターで打率が悪い選手を4番に置くのか?という話。だから、6番に4番のような選手がポイントゲッターとして入ったら面白いかな、というのは頭にある。よく“2番が野球を変える”みたいな言葉があるけど、野球は野球。1番から9番まで全員が主役。どの打順だって走者がいる時はいる。最初の打者が四球で出たら、二盗、三盗、犠牲フライで2人で1点とか最高ですよ。ピノの世界。ファミスタの」

 ――各球団がDX(デジタルトランスフォーメーション)化を進めて、選手のデータをデジタル管理する時代ですが、新庄監督が投手、野手に限らず、最も重視するデータは何でしょうか?(斎藤佑樹氏・元日本ハム投手)

 「データについては聞いていくし、勉強もしていく。外野は僕が指示します。現役時代もデータはあった。打球方向とか。でも、結局は目なんですよ、僕の場合は。センターから見る目で判断します。投手の調子のいい、悪いもある。データがあってのデータじゃない。全ては目ですよ。例えば前の日に4番打者が死球を受けていたら、データではないでしょ?だって本来のスイングができない。でも4番だから試合には出てくる。たぶん、振り遅れる。だったらデータと逆のライト方向に寄りなさい、という話になってくる。これは目のデータでしょ」

 ――現役に戻ったとしたら、入りたいチームは?(田中裕二・爆笑問題)

 「いい質問だね。巨人かな。やっぱりプロ野球といえば巨人。僕らの小さい頃からのイメージは変わらない。僕は小さい頃のままのイメージを持って、大人になっている。空き地で野球をやっていた子供が、ポンって札幌ドームに来ただけ。だから巨人でプレーしてみたいな~。どれだけレギュラー争いできるのか、という面白さはあるし、万が一、僕が今の盛り上がりみたいに、巨人に入って盛り上げられたとしたら、地上波放送が復活できるかな、とか。ちょっと想像しますよね」

 ――僕はパンツ一丁で仕事をしていて、うまく(股間が)隠れるようにオーダーメードのパンツをはいて仕事をしています。新庄監督はパンツにこだわりなどありますか?(とにかく明るい安村・お笑い芸人)

 「おおっ!前に(バラエティー番組で)一緒に仕事しましたよ。へ~、金をかけてますね。自分も、チ○ポジがしっくり収まるようなパンツを探した。試合中に左に“路線変更”となると、もうプレーに集中できなかったから。だから横ではなく、縦(股間の部分)がちょっと狭めなパンツにしてましたね。そうすると、だいたい真っすぐになって、同じポジションで固まってくれる。なかなか見つからなかったけどね」

 ――まだ世に出ていないファイターズ情報&SHINJO情報を教えてほしいです。(牧野真莉愛・モーニング娘。’22)

 「いい質問するね~。(札幌に住む)家が見つかった!こだわりは奇麗なこと。面白い家ですよ。フィーリングが合いました。全てフィーリングでしょう。人もそう。球場だってそうですよ。俺、大阪ドーム(現京セラドーム)が一番、フィーリングがよかった。次が東京ドーム。最悪が千葉マリン(現ZOZOマリン)。1本もホームランを打ったことがない。あの風のせいで。特にセンターは守備にも気を使うから、バッティングはどうでもいいという感じだった。東京ドームでも、地元の福岡ドーム(現ペイペイドーム)でもかぶりもの(パフォーマンス)をやってますよね。フィーリングの悪い場所ではやっていない。いいアイデアも出ないんですよ」

 ――近年、日本ハムは女性ファンが増えているように思いますが、さらに足を運んでもらうために考えていることはありますか?(稲村亜美・タレント)

 「足を運んでもらうためには選手たちがファッションや身だしなみに気を配り、ダイエットをしてもらいたい。中学生、高校生たちに、まずは僕が先頭で目立って、選手たちを出していく。それで“いい雰囲気の選手、多くな~い”という感じで、球場に女の子たちが来てくれたらいいなと思っている。大事なんですよ。中学生、高校生は。俺の年齢は“おじさん”となると思うけど、野球がうまくて、格好良くて、面白かったら、それはもう完璧でしょう」

 ――造園業を営んでいたお父さまの英敏さん(11年8月に他界)は子育てについて、褒める、叱るの使い分けが大事と話していた。褒められて一番うれしかったことは?そして選手のどのあたりを褒めたり、叱りたいですか?(近藤祐司・スポーツキャスター)

 「父もプロ野球選手を目指していた。でも僕は生まれた時に体重が物凄くあったから相撲取りにさせようとして、当時、強かったお相撲さんの名前の一文字の“剛”をもらい、“志”のある人間になってほしいと“剛志”と名付けられた。でも、ある日、川で植木職人の知り合いに“石ば投げてみろ”と言われて投げたら、とてつもない距離を投げた。それを見ていた父親が“ありがとう、もう野球選手で決まりばい”と。この時は喜んでくれたし、褒められましたね。選手を叱る時は“もったいないな”と思った時。素質があるのに抜くプレーをしたり。あとは不調の時に選手は“慰めてよ”となるけど、その時は“(2軍に)落とすぞ、こら”と言います。くよくよしていても誰も慰めてくれない。逆に褒める時は素直にめっちゃ褒めると思う」

 ――以前、テレビ番組で女性のファッションを自分好みに変えたいとおっしゃっていましたが、新庄さん的に熱い女性ファッションやブランドは?(峰不二子・札幌ニュークラブ「桃李」キャスト)

 「僕は本当にノーブラで白のTシャツ、デニムで、ちょっと高いヒールでスタスタスタって歩いていく女性が一番、おしゃれだと思う。着こなしたり、おっぱいを寄せてベロン、というのは僕はダメなんです。さりげなく風を切ってタカタカタカって歩く。髪の毛はちょっと揺れているかな。きつくないソバージュがかかっている感じ。たまにサングラスを頭にかけたり、たまに下ろしたりしている。分かります?(服のサイズは)ちょっと細めで、だぼっとしていない方がいいかな。それが僕のおしゃれポイント!」

 ――Before BIG BOSSとAfter BIG BOSSで日本の野球界はどう変わりますか?または、どう変えたいですか?(田村智雄・スポニチ東京本社編集局長)

 「もう変わったでしょ。うん。阪神時代からずっと思い描いていた野球観というものを、ただたださらけ出して、あとは皆さんがどう判断してくれるか。変わったか、変わってないかを僕は待つだけです。でも(昨年11月4日の)監督就任会見以降にやってきたことも、ほんの一部。もっといろんなことがある。僕はアイデアを膨らませる才能がある。周りが、どう判断するか楽しみで仕方ない。就任会見も襟の高さに驚いたでしょ?“さあ、新庄剛志、どんなトークでくるか”と思ったでしょ?最初に出てくるのは、ちょっとの笑いと“大丈夫か?”“何を話すの?”でいい。普通の記者会見では眠くなる。“次は何を話すんだろう”という恐怖心があったでしょ?そこなんですよ。それを今度は野球でやっていきたい。そうすれば話題も減らない。僕、頭いいんで、ごめんなさいっ!」

 【主な新庄流改革】

 ☆監督呼び禁止 11月4日の監督就任会見で「(監督は)イメージ的に堅い。これから僕が監督像を変えていきます。監督って呼ばないでください。ビッグボスでお願いします」と要望。名刺にも「BIGBOSS」と記した。

 ☆スモールベースボール 無安打でも得点を奪うスモールベースボールを掲げ、沖縄での秋季キャンプでは選手の肩と走力をチェック。バント練習やベースターンなどの走塁練習に力を入れるなど、チーム打率(・231)、総得点(454点)がいずれも昨季リーグワーストだった攻撃陣の改革に着手した。

 ☆身だしなみ 11月14日に自身のインスタグラムで「個性ある髪型 服装 発言 大歓迎」とした上で「全ての身だしなみが出来ない選手は2軍行きだょ」と投稿。11月20日に千葉・鎌ケ谷での秋季練習を視察した際にも、スタッフミーティングで「かっこいいチームになろう」と呼びかけた。

 ☆質問されて「そうですね」禁止 11月30日のファンフェスティバル中にテレビ番組に生出演した際、野村が取材時の定番の受け答えである「そうですね…」と言うと「“そうですね”はいらない。自分の思ったことを素直に話せばいいだけ」と助言した。

 ☆ファンへのメッセージ禁止 ヒーローインタビューなどで締めの定番となっている「最後にファンへメッセージを」と選手らに振ることについて、テレビ各局に廃止を要望。「“応援よろしくお願いします”は誰も聞きたくない」とお決まりのやりとりを繰り返さないように求めた。

 【編集後記】ビッグボスと東尾家には浅からぬ縁があった。記者は元西武監督で本紙評論家の東尾修氏のおいにあたる。今回のインタビュー前に球団関係者から「東尾さんのおいです」と紹介されると新庄監督は「そうなんだ。昔、よく理子ちゃんの家に遊びに行っていたよ」と言った。

 新庄監督の4学年下にあたるプロゴルファーの東尾理子と記者はいとこ。新庄監督が小学生時代、福岡市内の新庄家と東尾家は徒歩圏内で、東尾家や近くの公園が新庄少年の遊び場だった。「よくライオンズのグッズをもらったよ」と懐かしそうに話していた。

 約40年の時を経て再び交わった両家の縁。来季開幕戦の舞台は福岡。思い出の地を巡ってから22年のチームの初陣の取材をスタートさせようか…。今回の取材を終え、ふと思った。(日本ハム担当・東尾 洋樹)

 ◇新庄 剛志(しんじょう・つよし)1972年(昭47)1月28日生まれ、福岡県出身の49歳。89年に西日本短大付からドラフト5位で阪神に入団。01年から大リーグのメッツ、ジャイアンツでプレーし、04年から日本ハムで国内に復帰。06年限りで現役を引退した。NPBでの通算成績は1411試合で打率・254、205本塁打、716打点、73盗塁。ベストナイン3度、ゴールデングラブ賞10度。7度出場したオールスターでは2度のMVPに輝いた。引退後はタレント活動などを行い、昨年11月に日本ハム第22代監督に就任。右投げ右打ち。

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