ロッテ・朗希 3年目の抱負 お酒も打撃も挑戦の年「今年はバカスカ、打ちます!(笑)」

[ 2022年1月1日 05:30 ]

3年目の抱負を語るロッテの佐々木朗(撮影・長久保 豊)
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 ロッテ・佐々木朗希投手(20)がスポニチ本紙の新春インタビューに応じた。成人となって初めて新年を迎え「佐々木家の年末年始」の様子も披露。お酒が苦手な理由や、故郷・岩手県の英雄であるエンゼルス・大谷翔平投手(27)などについても語った。ホップ、ステップ、ジャンプの高卒3年目。自慢の打撃では一発宣言!?も飛び出すなど、シーズン中では見せることがない「令和の怪物」の素顔が垣間見えた。(聞き手・横市 勇)

 ――あけましておめでとうございます。20歳で迎えた新年はいかがですか?
 「20歳だといって、特に変わらないけど、プロ野球で一年間、初めて戦って、いろんな感情があった中で、昨年よりは充実感を感じながら迎えられたかなと思います」

 ――1年目の20年を実戦登板なしで終えて迎えた1年前の正月は、どんな心境だった?
 「プロは結果の世界。過去に何かをしたわけではなく、これからつくり上げていかなくてはならなかったので、大変だなとは思っていました」

 ――20歳になってお酒は?
 「まだ、飲んでないです。でも“もしものときのために一度、飲んでおかないと”とは思います。僕は炭酸を飲めないので(ビールなど)お酒全般が駄目。お付き合いするかどうかというよりも、できるかどうかなので」

 ――佐々木家の年末年始はどんな感じ?
 「僕がカニ好きなので、年末はカニとお寿司。カニは普通にゆでてですね。年越しそばは食べないけど、お雑煮は普通に食べます。あとは初売り。僕は最近行っていないですけど…。僕以外の家族で行っています」

 ――昨季はプロ初勝利を含む3勝を挙げ、CS登板も果たした。さらなる飛躍を狙うプロ3年目に思い描く夢は?
 「選手として、ここまで時間をかけてきたので、しっかりとチームに貢献したい。一年間通して、チームと戦い続けることが大事。結果的に良かった、悪かったはあるけど、それが次につながっていくと思う」

 ――2年目は11試合、63回1/3を投げた。「3年目は昨季の倍を投げたい」と言っているが、大きな目標は設定しないのか?
 「理想はあるけど、物事はなかなかうまく進まない。大きな目標がないわけではなく、コツコツとやっていく」

 ――昨年は花巻東出身のエンゼルス・大谷翔平が二刀流でメジャーを席巻し、高校野球でも同校の1年生スラッガー・佐々木麟太郎が大活躍。岩手勢は、なぜ凄い?
 「思い当たる理由はないです。ただ、インパクトはありますよね。人口も少ないし、プロ野球選手もそんなに多くないけど、凄い活躍だと思います」

 ――大谷の投球は見たりするか?
 「昨年はシーズン中の昼間に、エンゼルスの試合をやっていたら見ていました」

 ――球速など、比べられることも多い。
 「体形とか、そういった意味では近いし、参考にしたものもあります。でも、今はオリジナルなものを確立しているので、別のものになっている。それでも、やっぱり凄いなとは思います」

 ――大谷は打撃も凄い。昨年は交流戦で2打席だけ立ったが、打席の自信は?
 「今年はめちゃくちゃ打ちますよ。昨年は交流戦で打席に立った(2打席とも見逃し三振)。僕の中では投手だったので、見逃すつもりだった。高校通算は13本塁打ぐらい。今年はバカスカ、打ちます!(笑い)」

 ――高校通算50本塁打をマークする佐々木麟太郎も見たことがあるか?
 「映像は見たことあります。凄いですよね。僕の弟と同じ年なんです。弟は母校(大船渡)で、ショートを守っています。(自分と比べると)そんなに大きくない。(身長)1メートル78ぐらいかな。たまに動画とか送られてきますよ。頑張ってくれたらうれしいです。孫を見ているような気分で、楽しいです」

 ――楽しみといえば、日本ハム・新庄監督の注目度は凄い。
 「新しい風が吹いていると思います。見ている方は楽しいだろうし、野球を知らない人も引かれる。(入団会見の服装も)新庄さんが着ていると、そんなに派手に見えない。(注目度が増す日本ハム戦は)頑張ります!」

 ▽21年の佐々木朗 5月16日の西武戦で1軍初登板し、初回に山川からプロ初三振を奪うなど5回6安打4失点(自責2)で勝敗つかず。2戦目となった同27日の阪神戦では自身初となる甲子園登板。3回の初打席は一球も振らずに3球で見逃し三振も投球は5回4失点(自責3)で初勝利を挙げた。9月10日の楽天戦は田中将と投げ合い自己最長の8回を2安打2失点。レギュラーシーズンは11試合で3勝2敗、防御率2.27で終えると、楽天と争ったCSファーストS第1戦でも先発に抜てきされ、6回1失点と好投した。

 ≪今年の漢字は「超」≫佐々木朗は3年目の意気込みを漢字一字で「超」とした。「昨年の自分を全てにおいて超える。ファンの皆さまやメディアの方々が期待されていること(2桁勝利や160キロ超えなど)も超えられる結果を出せたら…」と説明。昨年は「出発」「先発」「発見」などの思いを込めて「発」を挙げ、シーズン途中から先発に定着した。「超」は人気アニメ「ドラゴンボール超(スーパー)」をイメージ。「スーパーな高みを目指して一歩一歩、自主トレからしっかりと歩んで3年目を迎えたい」とも付け加えた。

 ◇佐々木 朗希(ささき・ろうき)2001年(平13)11月3日生まれ、岩手県出身の20歳。大船渡1年夏からベンチ入りし、2年秋からエースとなる。3年春の高校日本代表候補合宿で、高校生史上最速の163キロを計測。同年夏の岩手大会は決勝で敗れ、甲子園出場なし。19年ドラフト1位で4球団競合の末、ロッテ入団。2年目の昨季プロ初勝利など、3勝を挙げた。1メートル92、85キロ。右投げ右打ち。

 【取材後記】19年12月に大船渡市内のホテルで佐々木朗を初めて取材した。コロナの影響で、この2年間は登板後などのかしこまった取材ばかりで、なかなか雑談もできなかった。取材手法は人それぞれだが、自分は「雑談の延長に本音がある」と思っている。お決まりの質疑応答では、面白いコメントは引き出せない。

 だから今回のインタビューは楽しかった。笑いがあふれる時間を過ごせたからだ。最速163キロを誇る「令和の怪物」。責任感の強い20歳に投球の話を聞いても慎重な返答が続くが、打撃について聞いたら「今年はバカスカ、打ちますよ!」。まじめで、謙虚で、発言には慎重なイメージが強く、こんな「軽口」を叩く姿は初めて見た。そんな雰囲気を読者にも感じ取ってもらえたらうれしい。

 ちなみに、大船渡3年夏の岩手大会、盛岡四戦で延長12回に右翼席へ決勝2ランを放ったシーンを、たまたまテレビで見ていた。実は打撃も凄い。今から交流戦が楽しみです!(横市 勇)

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