やはり1番で「目標は200安打。得点も増えて勝つ可能性高くなる」 赤星氏が近本に聞く 新春対談(2)

[ 2022年1月1日 08:00 ]

寅年の始めに近本(右)と赤星氏、2人のスピードスターが対談(撮影・大森 寛明)
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 (1)から続く。

 近本 3番を打ちたい気持ちもありましたが、本心じゃないです。本心は絶対1番です。1番で打って出て、3、4番で還してくれるのが一番気持ち良い。チームとしてもそれが一番大事。やはり1番が出て3、4番が打つのがチームとしても勢いに乗るので。それが理想なんです。

 赤星 実際、去年の後半は3番も経験した時があった(※4)。でも、僕の理想はどう考えても近本1番。このチームは。1番でこれだけ率を残せて出塁できるバッターがいて、一発も打てるという選手がいたら、他の打順は僕の中ではありえない。「1番近本」は相手からしたら絶対嫌だろうし。還して、つないでという両方やれるのが3番はある。どう?実際に打ってみて。

 近本 1年目とか、一昨年とかも数試合しかなかったですけど、そのときに比べたら全然楽でした。打順は関係なく、ただその状況になったときに、自分が一番ヒットになる確率のことをすれば良いというのになっていった。1番であっても初球打てると思ったら打ちますし、3番であっても前の打者がポンポンとアウトになっても、自分が打てるとなれば打ちにいかないといけない。打てる確率が高いから打った、と思ったんです。だから打順は気にしなくなりました。そうじゃないと、一球で終わったから初球を見る。初球、絶対ストライクくるんですよ。それを打てば良いので。

 赤星 今年、優勝をかなえるために、選手個人としての近本光司は1番打者としてヒットを量産してどんどん出塁をしなければならない。

 近本 200安打……、打ちたいですね。

 赤星 昨年の178本での最多安打はおめでとう。でも、もっともっと上、やっぱり200安打をめざしてほしい。

 近本 赤星さんが190安打(※5)というのは知っていました。でも190までいったら、あと10本ですよね、悔しくなかったですか?

 赤星 ほんと、そうだったんよ。それも俺の場合は早い段階で185ぐらいまでいってて、最後失速して伸ばせなかったから、より悔しかった。でも近本の残り22本も、かなり近づいてきている。

 近本 最後3、4試合出ていないので、4試合で4本は(安打を)打てるじゃないですか。6本ぐらい打ったとしても、184。あと15本ぐらいと考えたら、前半ちゃあ前半ですよね。赤星さんも185までいって最後打てなかった。その時の心境ってどんな感じでしたか?

 赤星 200安打が目標でもあったから。試合数から考えても、あと15本なら行けるなというのがあった。行きたいんだけど、体が思うようにいかないというのと、打ちたいというプレッシャーがあって。そこでうまくかみ合わなくて、結局190で止まってしまった。

 近本 結構、焦りみたいなものもあったんですか?打たなあかんみたいな。

 赤星 リーグ優勝した05年。自分でも調子が悪いのが分かっているから、ヒットを打たなくても、何とか塁に出なくてはというのがあって。粘って、四球を取りにいったりもしていたから、あんまり、最後はこだわってなかった。

 近本 すごい数字ですもんね。やっぱり200いきたいなあ。

 赤星 では、今年の目標をここで一つお願いします。あまり数字は言わないのは知っているけど…。

 近本 う~ん、100得点です。昨年91だったので。

 赤星 いやいや、この流れでそこ?

 近本 はい、やっぱり200安打ですね。

 赤星 だよね。200安打すれば得点の数も普通に100は超える。

 近本 そうですし、チームの得点も増えて、チームが勝つ可能性も高くなりますもんね。でも、まだ打ちたいなあ…というレベルなんですよね。少し、現実味は帯びてきている感覚はあるのですが。

 赤星 じゃあ、今年、個人的には200安打をクリアして、チームを優勝に導いてください!

 近本 はい。ありがとうございます。そうなれるように頑張ります。

 ※4 出場140試合中6試合で3番。中野が1試合、島田が5試合で1番を務めた。

 ※5 05年。チーム左打者で最多。全体でも10年マートン214安打、50年藤村富美男191安打に次ぐ3位。

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