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エンゼルス・大谷MVPにルースの孫も歓喜…祖父の名が再び世に「一族にとっては一番うれしい」

[ 2021年11月20日 02:30 ]

エンゼルス・大谷 満票でMVP受賞

本紙の取材に応じるベーブ・ルースの孫のトム・スティーブンスさん
Photo By スポニチ

 米国で大谷のMVP受賞を喜んでいる一人が、ベーブ・ルースの孫で、ニューハンプシャー州在住のトム・スティーブンスさん(69)だ。今季の活躍はネット中継でチェック。スポニチ本紙の取材に応じ、フルシーズン二刀流を全うしたことの意義について語った。

 まずは大谷が大きなケガもなくフルシーズンプレーし、そして二刀流で結果を残したことが素晴らしい。彼の存在は今のMLBにとって貴重。オールスターでの二刀流など、誰もやったことがないことを次々に達成していくことで、多くの人々が野球について熱く語った。私は祖父が亡くなって4年後に生まれたので会ったことはないが、大谷との比較でベーブ・ルースの名前が再び世に出る。それが私たち一族にとっては一番うれしい。

 ルースと大谷の二刀流には違いがある。大谷がそれを目標としたのに対し、祖父は投手よりも打者に軸足を移したくて、1918年、19年はその移行期。つまり、結果としての二刀流だった。ヤンキースでは打者に転向したが、実は15シーズンで5度登板、4試合に先発して、全て勝利投手になっている。ボール自体はレッドソックス時代とは比較にならないが、勝つコツを知っていた。2年間、二刀流を経験したことで、他の選手が持ちえない野球の知識とアイデアを獲得していたからだと、私は思う。

 ルースはケガに強かったが、最後は膝の痛みで守備ができなくなり、引退した。当時DHがあったら、もう数年プレーできただろう。大谷も体は頑丈だと思うが、人間である以上、限界はある。今後、彼が長く二刀流を続けるのか、いずれ一つに絞るのか、それは私には分からない。でも、初めてフルシーズン二刀流でプレーした経験を礎にして、投打に独自の進化を遂げられる。ルースと大谷。2人にしか見えない世界があるはずだ。

 ▽ルースの1918年 世界中でスペイン風邪が流行。ルースも5月に感染し、19~29日を欠場した。同年は第1次世界大戦の真っ最中で、9月1日でのレギュラーシーズン打ち切りが8月2日に発表。打者転向を希望していたルースだが、ワールドシリーズに出るために最後の1カ月は投手としてフル回転し、8試合で6勝を挙げ、13勝を挙げた。同時に11本で自身初の本塁打王を獲得。世界一の立役者になった。当時は「デッド(飛ばない)ボール時代」と呼ばれ、ボールはボロボロになるまで使うためシーズン終盤になるにつれて反発力が弱まり、飛ばなくなる。ルースは最後の2カ月で1本も本塁打を打てなかった。

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