ソフトB・千賀 シーズン中の胸中告白 後半戦はフルパワー「勝つために、気持ち一本だった」

[ 2021年11月18日 07:00 ]

ソフトバンク・千賀
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 ソフトバンクのキーマンに迫る「どこまでも鷹(たか)く」。今回は、来季巻き返しに欠かせない千賀滉大投手(29)を直撃した。今季は10勝3敗。序盤は左足首負傷で出遅れ、東京五輪後の後半戦からフル稼働し奮闘も、チームは4位に沈んだ。藤本博史新監督(58)のもと4日から始まった宮崎秋季キャンプは免除されていたが、第2クールから志願して合流。18日からは第4クールに突入する。エースがたっぷり、語ってくれた。(取材・構成=井上 満夫)

 ――今季を振り返ると。
 「今年に関してはケガで遅れたというところがあって。一戦一戦が全然だったところがあったんですが、後半は前半働けなかった分のエネルギーをつぎ込んでやろうと思って頑張っていました」

 ――秋季キャンプに9日から合流した。
 「やっぱりもう1度、体をしっかりつくり直すことと、フォームのメカニックの部分の実質的なところを含めて今、アプローチしているので。それを宮崎でしかできないところがあったので宮崎に来たという形ですね」

 ――今季初登板した4月6日の日本ハム戦で左足首負傷し7月に復帰。回復までに得たことは。
 「足がダメになって、対応するために復帰するのは大変だった部分は正直あった。けど足が使えなかった分、上半身だったり、それ以外のところでいろんな神経を使う作業ができた。自分の中では新たな発見がありました」

 ――7月の復帰後に東京五輪代表に追加招集。2試合に中継ぎ登板し金メダルに貢献した。
 「僕の中では稲葉監督と建山投手コーチの2人に恥をかかせるわけにはいかない、という気持ちだけでマウンドに行った思いが強い。とにかく、あの2人に選んでもらったことだけ思って。とにかくゼロ、絶対ゼロでと。それができたので良かった。選んでもらったことに感謝するにはゼロだと思っていました」

 ――五輪後の後半戦だけで11戦9勝。状態はどうだったのか。
 「正直、後半戦一発目からいけるか、いけないか不安だった。状態は合っていなかったが…。今年1年、自分の中でいい球を投げるタイミングが合うとかは全然なかった。前半働けなかった分、後半にチームに勝ちを運ぶんだと。いつもはフォームだったりバランスを考えるが、そういう意識は少なくて。勝つために、ただ投げる感じだった。気持ち一本みたいなところがありました」

――チームは後半戦で先発ローテーションを再編。中5日登板が3度あり、9月28日の西武戦で中5日の後に、中4日でオリックス戦登板。登板間隔の変更の影響は出たか。
 「全然。中8日とか長くなるよりは僕は投げやすいので、何も気にしなかった。中4日もやったことはあった。中4は毎回だと大変だが、そんなに大変なことではなかった」

 ――結果的には6年連続での2桁勝利。一つの目標だったのか。
 「目標だったけどケガもあったので、あきらめもあった。でも奇跡的に運良くいけた。ラッキー。本当に運が良かったなと。詰めて投げなくても良かったしロースコアで勝てたり、野手の方に点を入れてもらって楽にしてもらったり。本当に運が良かったです」

 ――近年、球界には佐々木朗(ロッテ)、奥川(ヤクルト)、伊藤大海(日本ハム)、平良(西武)、栗林(広島)ら若手右腕も台頭してきた。
 「いやもう、みんな凄すぎるんで。僕は何も言うことはないですよ。ケガせずにいてほしい。凄い人たちばかりでうらやましいなー、と思いながら見ています。本当に大きなケガなく。そうすれば、どえらい成績を残す人たちばっかり」

 ――来季から日本ハムの指揮を執る新庄“ビッグボス”で、日本ハムは変わる?
 「いやー(笑い)。凄い。いちファンとして見ている目線と今は変わらないですよ。どうなるんやろ?これからという感じで、それだけやと思います。小、中学生のときに活躍されていた方。ワクワクして、いちファンとして見ています」

 【千賀の今季経過】
 ▼4月6日 日本ハム戦で今季初先発し、5回2/3無失点で初勝利。6回に渡辺の投直を捕球後、バランスを崩して左足をひねり降板。
 ▼9日 福岡県内の病院で「左足首のじん帯損傷」の診断。
 ▼7月5日 侍ジャパンに追加招集。
 ▼6日 1軍復帰登板のロッテ戦で自己ワーストの10失点を喫し3回途中KO。
 ▼8月2日 東京五輪米国戦で2回無失点。
 ▼7日 東京五輪決勝、米国戦で1回無失点。金メダル獲得。
 ▼10日 2軍阪神戦に調整登板。5回5安打4失点。
 ▼18日 後半戦初登板の楽天戦で6回無失点。6回にチーム連続無失点39イニング目となり、これまでの38イニングを塗り替える新記録に到達。球団記録は42イニングまで伸びる。
 ▼9月8日 西武戦に中5日で登板。7回無失点。
 ▼14日 ロッテ戦に中5日で登板。8回3失点も敗戦投手。
 ▼10月25日 今季最終戦のロッテ戦登板。10勝目を挙げ6年連続2桁勝利に。

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