オリ・由伸 感謝の最優秀バッテリー賞「若月さんに助けてもらってばかり。2人で獲れてうれしい」

[ 2021年11月18日 05:30 ]

10月2日のソフトバンク戦。2安打完封で16勝目を挙げ、若月(左)とグータッチで喜ぶ山本(撮影・成瀬 徹) 
Photo By スポニチ

 スポーツニッポン新聞社が制定する「2021年度プロ野球最優秀バッテリー賞 powered by DAZN」の選考委員会は17日、パ・リーグは山本由伸投手(23)―若月健矢捕手(26)、セ・リーグは柳裕也投手(27)―木下拓哉捕手(29)を選んだと発表した。オリックスからの選出は7年ぶり3組目で、中日バッテリーの受賞は2年連続。4選手には賞金100万円が贈られる。

 日本シリーズを前に、新たな勲章を手にした。山本と若月がオリックスでは7年ぶり3組目の最優秀バッテリー賞を受賞。この日、室内で調整に努めた絶対エースは「若月さんには助けてもらってばかりで、僕の力を最大限に引き出してくれた。どんなピンチの場面でも冷静な配球で抑えさせてくれた。2人で賞を獲れたことは、恩返しではないけど、それも含めてうれしい」と共同作業の栄誉を喜んだ。

 今季は7月9日のソフトバンク戦から計11試合で若月と先発バッテリーを組み、10勝0敗、防御率0・72。150キロ超の直球に高速フォーク、ブレーキの利いたカーブで緩急を操り、最多勝、防御率、最多奪三振、勝率第1位の先発投手タイトル4部門を独占。リーグトップの4完封で「投手5冠」に輝いた。

 96年以来25年ぶりとなる日本シリーズ進出を決め、20日に京セラドームで開幕するヤクルトとの決戦に挑む。山本はシリーズ第1戦の先発最有力候補。球団新記録の15連勝でレギュラーシーズンを締めCSを合わせて16連勝中。その起点が7回2失点だった5月28日のヤクルト戦。警戒する打者に東京五輪で共闘した山田、村上を挙げ、「2人の他にも本塁打がある打者がいるので、対戦を楽しみながら、思い切って投げたい。走者を出さないことが基本」と強力打線を分断する構えだ。

 今季は自身初の開幕投手を担い、侍ジャパンでも開幕投手を務めて金メダルに貢献。10日のCSファイナルS第1戦のマウンドも託され、若月とのコンビで「スミ1」の無四球完封し2勝1分けの無敗突破をもたらした。頂上決戦でも、流れをつかむ役割に期待がかかる。「体調もいい。調整を詰めて、いいパフォーマンスを出せたら」。初めての受賞を追い風に、チームを25年ぶりの日本一に導く。(湯澤 涼)

 《パ選考理由》最多勝、最優秀防御率など投手タイトルを独占したオリックス・山本の名前を、選考委員全員が挙げた。「夏場にオリンピックに出場しながらこの成績。評価は高い」と槙原寛己氏。牛島和彦氏も「山本は動かしがたい。捕手で悩む」と話した。山本は文句なし。捕手を誰にするかが選考の焦点となった。伏見とのコンビを選んだ張本勲氏は「出場試合数が20試合以上多い」と試合数をポイントに。シーズンの盗塁阻止率も伏見の方が上だった。一方で若月について有藤通世氏は「五輪以降の成績に重きを置いた」。山本は若月とのコンビで今季、シーズン後半に10連勝を飾っている。防御率も伏見と組んだ際は1・92なのに対して若月とは同0・72。大野豊氏は「山本の良さを引き出した」と評価し、この数字も決め手となり、選考委員10人のうち8人が山本―若月のコンビを挙げた。

続きを表示

2021年11月18日のニュース