オリックス・元謙太 外野挑戦「飛躍の糧」に 同期ライバル来田から刺激も

[ 2021年11月18日 11:30 ]

オリックス・元謙太
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 高知市東部球場の外野で、背番号27は白球を追っていた。今月19日まで行われる秋季キャンプに参加中のオリックスのドラフト2位・元謙太(19)だ。

 「小林2軍監督と小谷野コーチから、“フェニックス・リーグから、外野もやってみよう”と。それで、いきなり中堅で出ました。プロの打球は高さも速さも違うので、どうかなと思いましたが、(正三塁手の)宗さんも外野を経験してから送球や動きが良くなったと聞きましたし、自分の可能性も広がると思った。複数ポジションを守れれば出場機会も増えると思うので」

 元々、球団は外野手として期待していた。今季はウエスタン・リーグで主に遊撃と三塁を守り112試合に出場。高校では捕手を除く全ポジションを経験し、昨夏の岐阜県独自大会では投手兼遊撃手としてプレーした。入団時は「自分は内野で勝負したい。肩が強いので、三塁から一塁への送球も自信があります」と話していた。将来的に内野でのレギュラー獲りを目指していただけに、福雑な思いもあるはずだが、「飛躍の糧」と捉えた。

 今季1軍出場なし。ウエスタン・リーグでは打率・138、4本塁打、30打点。満足はできない。「1年ケガなくやれたことを経験として無駄にしないようにする。打撃では軸足の右膝の割れをしっかり、つくれるように取り組んでいます。そこができれば自然とインサイドアウトも、できるようになる」と打撃力向上を模索する。

 同期のライバルに刺激を受ける。同じ高卒新人の来田だ。7月13日の日本ハム戦で、高卒新人史上初となるプロ初打席初球本塁打の衝撃デビューを飾った。「来田は本当に、いい打者。刺激になります。僕も負けないように、切磋琢磨していけたら」と力を込める。

 チームは2年連続最下位から96年以来25年ぶりのリーグ優勝を果たし、日本シリーズ進出も決めた。投手では宮城、野手では紅林を筆頭に、若手が着実に成長曲線を描く。元も来田も好素材。若い力の“突き上げ”が、来季以降もオリックスを常勝軍団にするはずだ。(記者コラム・湯澤 涼)

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2021年11月18日のニュース