後輩のドラフト“128位”指名に興奮!“努力する男”ソフトB育成14位・仲田に期待

[ 2021年11月14日 10:24 ]

福山龍太郎スカウト(左)に帽子をかぶせてもらう育成14位指名の仲田慶介(福岡大)。右は岩井隆之スカウト
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 ドラフト“128位”が、後輩だった。興奮した。今秋ドラフトの全12球団指名のトリを飾ったのがソフトバンクの育成14位・仲田慶介外野手(22=福岡大)。同じ福大大濠高出身で高校には一般生として入部。大濠の部活で「一般生」という響きを聞くと「おーっ」と周囲は感心しOBは盛り上がる。全選手指名後に永井智浩編成育成本部長も期待していた。「両打ちで打撃が非常に評価できる。鍛えたいなーと思っています」。また努力の場が仲田にはある。また、興奮してきた。

 「下は誰もいないので上しか見なくていいです。一番下から、まずは球際の強さを見せたいです」。10月27日の指名挨拶で意気込んでいた。いきなり球際かよ、と思ったが仲田は実直で無骨な男だ。

 私が在籍当時の福大大濠はオール男子校だが今は男女共学。同じ一般生入部だった私は特待生、推薦生の存在を言い訳にしベンチ入りで3年間を終えたが仲田は見つめる先のレベルが違った。大学から両打ちにし、独自の練習法で強肩にし、快足にし、プロの目にまで留まった。夢へと突っ込む仲田は、ずっと変わっていなかった。

 仲田が高校3年最後の夏、福岡県大会で母校を取材した。決勝打を放ったのが仲田で、努力のエピソード取りに、のめり込んだ。「努力は嘘をつかない」が座右の銘で、法大からDeNAに4位指名されたエース三浦銀二も「仲田だけには努力で勝てない」と言っていた。推薦生8人が先発出場する中で唯一の一般生として最後の夏に一ケタ背番「8」をもらっていた。1日500スイングを自らに課し、それでも納得しない場合は練習後にバッティングセンターで軟式球を打っていた。県準優勝に貢献した。

 福岡市西区の福岡大グラウンドに隣接するのが、福大大濠の練習グラウンド。高校時代を指導した八木啓伸監督も「努力に努力に努力を重ねて指名を得たので、失うものはないという攻めの気持ちで頑張って欲しい」と喜んでいた。仲田なら努力する、はい上がるのを周囲は知っている。

 本気と書いて「マジ」と読むならば福大大濠野球部出身の一部では努力と書いて「仲田」と読む。面白い、楽しみな男を、ソフトバンクは獲得したと思っている。(記者コラム・井上 満夫)

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2021年11月14日のニュース