【野球】各自いいアプローチができていた 先発して1人安打がない誠也だが紙一重の内容―新井貴浩の目

[ 2021年8月1日 05:30 ]

東京五輪第9日 野球1次リーグA組   日本7ー4メキシコ ( 2021年7月31日    横浜スタジアム )

<日本・メキシコ>3回無死一、二塁、中飛に倒れる鈴木(撮影・会津 智海)
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 初戦にあった硬さが消え、本来の積極性が出た。山田も初回先頭で初球を強振してファウル。あのようなスイングが本塁打へとつながっている。やはり振っていくことで微調整できる。体感して分かることが多い。先発の左腕オラマスは高めの速球に切れがあった。こういう投手には低めに目付けした方がいい。甲斐の同点打もそう。それまでの打者の反応を見ていたと思う。各自いいアプローチができていた。

 あとは誠也だけ…という声があるかもしれない。確かに先発して安打がないのは1人だけ。ただ、スイングは悪くない。第1打席も初球から思い切って振り、追い込まれてからもファウルを重ねた。3回もボール気味の高めの速球を中堅深くまで運んだ。状態が悪い時には空振りやファウルになる球だ。9回の中飛も紙一重。打席を経るごとに内容は良くなっている。結果が出るのは近いと思う。

 短期決戦の国際大会では普段以上に切り替えが大事になる。早く安打が欲しいところで7回は我慢して四球を選び、初球に盗塁も決めた。引きずらずに集中できている。

 大切なのは「打線」として機能するかどうか。点ではなく線で見ないといけない。9回に逆転した初戦と同じように下位でつくった好機を山田が生かした。点が全く取れないなら、考える余地はあるが、つながりはある。しかも、2連勝。勝っている中で動くリスクを考えれば、少なくとも次戦で打線を組み替える必要はないと思う。(スポニチ本紙評論家)

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2021年8月1日のニュース