“勝利の方程式”が決まらない…広島・佐々岡監督の苦悩 中継ぎ期待のコルニエルもバードも失点

[ 2021年7月4日 05:30 ]

セ・リーグ   広島0-5阪神 ( 2021年7月3日    マツダ )

<広・神(9)>8回に登板するも阪神打線につかまり降板する広島・バード(中)(撮影・大森 寛明)
Photo By スポニチ

 広島は、3日の阪神戦で0―5と見せ場なく敗れて、今季最悪に並ぶ借金16に逆戻りした。先発の大道温貴投手(22)が5回1失点と奮闘するも救援陣が4失点。勝利の方程式入りを期待されているカイル・バード投手(28)が3失点と崩れて、接戦での起用に不安を残す内容に終わった。シーズンの半分の試合を消化しながら、抑えの栗林につなぐ方程式が見えない苦しい台所事情が続いている。

 期待して送り出した救援投手が、接戦ではことごとく本来の姿を見失う。この負の連鎖は止まらず、勝ちパターン入りを期待するコルニエル、バードが続けて失点した。佐々岡監督は「いまいるメンバーでやらなくてはいけない」と策を練るものの、いまだに抑え以外の勝ち継投が見当たらないのが現実だ。

 0―2の8回で登板したバードは、6試合連続無失点と好投していた。しかし、先頭の梅野、代打・サンズに2者連続の二塁打を許して早々に失点すると、その後に単打3本を浴びて計3失点。2死しか奪えずに回の途中でマウンドを譲った。

 バードはここまで9試合に登板したのみ。未知数の部分を残す新助っ人を、勝負どころで起用せざるを得ないところに苦しい台所事情が表れている。指揮官は継投策について「コルニエル、バード、フランスアを終盤で考えているけど、バードは修正をしなくてはいけない」と説明したように、今後もバードを接戦で起用する方針。ただし、フランスアも右膝手術からの復帰後2試合に登板したのみとあって、手探りの状態が続くことに変わりはない。

 “8回の男”を担ってきた塹江が不調で降格したことで、一からの再編を余儀なくされた。新人の森浦に代役を期待するも、6月29日の巨人戦で同点の8回に4失点。この日は、6回に登板して1イニング無失点に抑えながら満塁の走者を背負っており、指揮官は「1年目で(疲労など)初めての経験の中でどれだけできるかというところで、7、8回(の起用)から下げている」と言及。森浦の勝ち継投入りは白紙に戻っており、終盤に登板する候補も数が限られている。

 この日は、Jリーグ・サンフレッチェ広島と初の共同企画として、赤紫色の特別ユニホームを着用した一戦だった。指揮官は「こういう企画で広島の街を(盛り上げよう)とした中で、なかなかいい戦いができず申し訳ない」と頭を下げた。サンフレッチェの意味は「3本の矢」。7、8回の「2本の矢」が決まらなければ、栗林という強力な一矢を放つ展開も失われていく。(河合 洋介)

続きを表示

この記事のフォト

2021年7月4日のニュース