阪神育成・小野寺 支配下残り1枠も諦めん!女手一つで育ててくれた母へ誓う恩返し

[ 2021年3月18日 09:30 ]

阪神・小野寺
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 阪神の支配下登録は18日時点で69人。残り1つの狭き枠を巡り、8人の育成選手が争いを繰り広げているが、2年目を迎えた小野寺暖外野手(23)もその一人だ。

 「走攻守すべてで積極的にやっていきたい。今持っている以上の力は出せないので、今持っている力を出していきたい」

 今春は育成野手として球団で初めて春季キャンプ1軍抜てきされるなど、首脳陣からの期待も大きい。意気込んで臨んだキャンプの実戦では11試合に出場して打率・278、2本塁打、5打点とアピール。限られた出場機会で存在感を示した。その一方で3月のオープン戦では8打数無安打。11日からは2軍合流となった。それでも支配下へ気持ちは切れていない。何としても果たしたい約束があるからだ。それは中学の時から女手一つで育ててくれた母・由子さんへの恩返しだ。

 「特に大変な思いをさせた。支配下になって、親孝行じゃないですけど、喜んでもらえるように頑張りたい」 京都翔英高時代には毎日朝5時に起床し、7合の白米と、弁当箱3段全てにおかずが詰まった特製弁当をつくってくれた。最寄りの駅まで送ってもらったあとは家計を支えるために夜まで働いて、帰宅時間に合わせて駅まで迎えにきてくれた。そんな母の支えがあったから今がある。昨年のオープン戦で初めて1軍に呼ばれた際も連絡して喜んでくれていたというが、本当の恩返しは2桁の背番号でグラウンドに立つことだ。

 この1年はウエートトレーニングで下半身強化を図り、パワーアップを実感。体も一回り大きくなり、着実に成長もしている。

 「とにかく元気を出して、自分らしくやっていきたい」

 試合前の円陣では声だしで盛り上げ、虎の元気印としても存在感は際立っている。とにかく目立つ――。全力アピールで今年こそ母に朗報を届けたい。(記者コラム・長谷川 凡記) 

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2021年3月18日のニュース