「森下流」で歩む新人王ロード 広島・栗林は「大人の調整」を経て春季キャンプへ

[ 2021年1月10日 05:30 ]

キャッチボールする広島・栗林
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 広島の新人合同自主トレが9日、広島県廿日市市内の大野練習場で始まり、ドラフト1位・栗林良吏投手(24=トヨタ自動車)は、昨季新人王に輝いた森下同様の仕上げで春季キャンプに向かう構えをみせた。ブルペン投球の再開を今月末に設定するなど、自主トレ期間の投げ込みを最小限に抑えるプラン。焦る気持ちを抑え、体づくりを最優先に進めていく。

 同期が思い切り良く腕を振る姿を横目に、はやる気持ちを抑えた。「この時期から強い球を投げていてすごいなと」。新人合同自主トレ初日のキャッチボールは約10分間で、内野ノックは捕球のみ。屋内練習場の気温4度と冷え込む中、栗林は商売道具の右肩の消耗を最小限にとどめた。

 「(昨年12月は)そんなに投げていないので、無理をせずに徐々に投げられるようしていきたい」

 本来は「ブルペンに数多く入る方」と投げ込みを重視するタイプだというが、昨年は11月末の都市対抗に向け調整を進めたため、12月は投球練習を控えながら疲労回復に重点を置かざるを得なかった。「1月末から徐々に投げていって、キャンプでしっかりブルペンに入れるようにしたい」。春季キャンプの1週間前をメドにブルペン投球を再開する予定で、自主トレ期間の投げ込みは最小限に抑えることになりそうだ。

 調整法は、昨年のドラフト1位と重なる。森下は「元々、内野手なのでブルペンで投げ込む必要がないという感覚がある」と1月中のブルペン投球は3度で、3度目も捕手を座らせての投球はわずか7球だった。栗林も森下同様に高校まで遊撃を兼任しており内野ノックや打撃練習などの野手メニューを中心に体を仕上げる方法が身に付いている。

 「繊細なタイプではないので、ブルペンに入れずに(フォームが)崩れるということはあまりない。いい意味で鈍感。繊細すぎないのは、野手みたいでいいことなのかなと。(森下は)自分の調整をしっかりとやっていた印象がある。自分もしっかりとやっていきたい」

 すでに春季キャンプの1軍スタートが内定しており、急ピッチで仕上げる必要はない。「監督さんやコーチの方が見に来てくださったときに、急に(ペースを)上げたくなる気持ちはどこかにあるけど、それを極力出さないようにしないといけない」。社会人出身らしく自己管理する能力にも優れている。

 ○…栗林は入寮前に知人から贈られたという球団OB・黒田博樹氏の著書「決めて断つ」「クオリティピッチング」の2冊を自宅から持参したことを明かした。「自分が目標とするのは、黒田さんみたいにエースになって、たくさんの人を魅了できる投手。自分のためだけでなく、ファンの方を思って投げられていた印象があります。自分も周りの人を引き込める投手になりたい」。練習後も憧れの右腕からイズムを吸収しようと精力的だった。

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