「早くカベにぶつかれ」 阪神・矢野監督が新人に“愛”のエール「順調にいくことってそんなにない」

[ 2021年1月10日 05:30 ]

<阪神新人合同自主トレ> 新加入の鈴木(右端)のあいさつを受ける矢野監督(右から2人目)(代表撮影)
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 期待するがゆえ「異例の訓示」だ。阪神の矢野燿大監督(52)は新人合同自主トレ視察のため鳴尾浜球場を訪れ、新人9選手に“壁にぶち当たれ”と激励を込めた愛情あるメッセージを送った。

 「順調に行くことが一番いいことなのかもしれないけど、オレ的には早くぶつかってくれた方がいいんじゃないかなと。壁にぶつかれば、より成長していけると思う。順調にいくことってそんなにない。みんな壁にぶつかって悩んだり苦しんだりすることが絶対にある」

 理想は順風満帆なプロ野球生活だが、超一流選手であっても必ずプロの高い壁に直面する姿をこれまでも見てきた。それだけに早い時期に“挫折”を味わうことが、その後の成長への近道になると説いた。

 「佐藤(輝)はもちろんのこと、みんな期待されている。期待に応えたいけど、結果が出ないで焦るとかさ。今の力はここなんだよと現在地を知るというところでは、壁があるよということも言った方がいいのかなと。今から思っている方が、当たったときに焦らないのかなと」

 大学、社会人に関しては、即チームの力になると考えて指名しており「実際に目の前でね、近くで(プレーを)見てみたい」と早期躍動に胸を躍らせた。午後からは合同スタッフ会議に出席。今春キャンプにおける佐藤輝ら7選手の1軍キャンプスタートを明言した。

 「確定ではないですけど、ケガをしている育成の岩田(将)と高校生の高寺以外は連れて行きたい」

 3週間後には、チーム内のし烈な競争が本格的にスタートし、第1クールから実戦練習も予定する。指揮官は、ルーキーたちが幾度も来るであろう壁を、その都度、乗り越えていくと信じている。 (山本 浩之)

 《矢野監督 新加入の鈴木を激励》新加入の鈴木は、初めて訪れた鳴尾浜で矢野監督から激励を受けた。「育成なんですけど、戦力として考えていると言われたので、期待に応えられるよう高い目標を持っていきたい」。年末年始は名古屋で練習していたといい、10日からは鳥取市のトレーニングジム「ワールドウィング」で中日時代の昨年に続きトレーニングに取り組む。「いいパフォーマンスができるようにしっかり体を鍛えたい」。万全の準備を整え、早期の支配下を狙う。

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