2・9虎デビューだ! 阪神ドラ1・佐藤輝の初陣は対外試合初戦に 井上ヘッド「出てもらう」

[ 2021年1月10日 05:30 ]

<阪神新人合同自主トレ> 練習の合間に明るい表情を見せる佐藤輝(代表撮影)
Photo By 代表撮影

 阪神のドラフト1位・佐藤輝明内野手(21=近大)が沖縄・宜野座キャンプ期間の2月9日に予定される日本ハムとの練習試合(かりゆし宜野座)で対外試合デビューすることが9日、確実となった。井上一樹ヘッドコーチが明らかにした。この日から兵庫県西宮市の鳴尾浜球場で新人合同自主トレがスタート。同期の8人とともに精力的に汗を流した佐藤輝は矢野監督から受けた訓示を体現すべく、歩を進めていく。

 最高気温4度の寒さも、この男を見ていれば忘れてしまう。黄金ルーキー佐藤輝が新人合同自主トレでプロの本格的なスタートを切った節目の日。同時に対外試合デビュー日も明らかになった。

 合同スタッフ会議後に春季キャンプ日程と期間中の対外試合のスケジュールが発表され、対外試合初戦は2月9日の日本ハム戦に決定。井上ヘッドコーチが「ルーキーの選手たちは最初は右も左も分からないし、この人誰だろうぐらいのレベルかもしれない。でも野球のルールは変わらないんだから。(9日は)出てもらうよ」と出場を明言した。

 実力を示す最初の舞台に向け、始まった合同自主トレでもドラフト1位らしく軽快な動きを披露した。午前9時30分のウオーミングアップからキャッチボール、外野ポール間のランニングやウエートトレなど、ランチ休憩を挟んで午後2時40分の終了までフルメニューを消化。「結構しっかり動いたので、いい張りがある。これからしっかり調整していきたい」。無事に初日を終え、さすがに安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 練習の途中に視察に訪れた矢野監督から「早く壁にぶつかれ」と珍しい訓示を受けた。

 「大学でも打てない時期があった。それでもなんとか進んで。これからもっとデカい壁があるかもしれないですけど、それを乗り越えたい」

 近大2年秋のリーグ戦で最優秀選手賞とベストナインを受賞するなどしたが、3年秋は右肘のケガの影響もあり打率・188と苦しんだ。それでも立ち止まることはなかった。「練習するしかない。開き直るときは開き直りますけど、考えないとバッティングってうまくならないと思うので」。4年秋のリーグ戦で2度目の最優秀選手に輝き、つかみ取った4球団競合の末のドラフト1位。プロの世界でも、壁は厚ければ厚いほど破りがいがあるというものだ。

 「しっかりアピールして、最終的に新人王目指してやっていきます」

 1年目の目標に向け、最初の一歩となる「2・9」。本塁打か、長打か、はたまた豪快な空振り三振か……。想像するだけでもワクワク感は止まらない。(阪井 日向)

 【阪神 近年の主なドラ1野手 1軍対外試合デビュー】
 ★04年鳥谷敬 2月14日、日本ハム戦に「1番遊撃」。4打数無安打も、守備では5回の中継プレーで走者を本塁補殺。
 ★12年伊藤隼太 2月12日、日本ハム戦に「1番中堅」。初回の中前打と9回の右前適時打で5打数2安打1打点。
 ★16年高山俊 2軍安芸キャンプから合流し2月25日の日本ハム戦に「7番DH」。無安打で迎えた9回に投手強襲の内野安打。
 ★17年大山悠輔 2月13日のDeNA戦に「8番三塁」。第1打席は今永にバットを折られて遊ゴロ。3打数無安打でプロのレベルを痛感した。
 ★19年近本光司 2月14日の楽天戦に「9番中堅」。3回に中安打、7回は左中間適時三塁打を放ち、チーム唯一のマルチ安打で存在感示す。
 (試合はすべて練習試合)

 《チーム内実戦が増加》井上ヘッドコーチが今春キャンプでは「チーム内実戦」を増やす方針を明かした。新型コロナウイルスの脅威が続く中で「対外試合がどこまで許されるかも変わってくるかもしれない」と不測の事態も想定。「パーセンテージとすれば、実戦形式は去年よりもっと増えると思っていた方がいい」とし、紅白戦やシート打撃などを積極的に組み込んでいくことを示唆した。

続きを表示

この記事のフォト

2021年1月10日のニュース