【新春対談 大野豊氏―広島・佐々岡監督(上)】主将制の復活「黒田と新井のイメージ」

[ 2021年1月4日 09:00 ]

【広島 新春対談】佐々岡監督(左)と大野豊氏(撮影・奥 調)
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 広島・佐々岡真司監督(53)と、本紙評論家・大野豊氏(65)による新春島根同郷対談が実現した。5位に沈んだ就任1年目の反省を踏まえ、V奪回への思いを強くする2021年。12年ぶりに主将制を復活させた指揮官は、任命した大瀬良、鈴木誠を投打のキーマンにも指名。チームスローガンの「一体感」をより強固にし、佐々岡野球の熟成を約束した。 (構成・江尾 卓也)

 大野氏(以下大野) 監督、新年明けましておめでとうございます。

 佐々岡 おめでとうございます。

 大野 就任1年目はコロナ禍で大変だったと思います。

 佐々岡 投手を中心とした守り勝つカープ野球を継承する意気込みでしたが、思い描いた野球はできていないですね。コロナの影響で開幕が3カ月遅れた上に、密を避けるために時短、分離練習を余儀なくされ、掲げた一体感の歯車が一歩目から狂った感じです。

 大野 一体感という言葉を数多く使われたけど、ファンの声援がない中での試合が続いたこともあって、理念が浸透しきれていなかった印象がある。

 佐々岡 一体感には選手やスタッフだけでなくファンの皆さんと一緒になって戦うという意味も含んでいますからね。応援が選手や我々の力になると改めて実感しましたし、その意味では寂しいシーズンでした。

 大野 一体感を強調しながらチームづくりを進める方針は今季も変わりませんか?

 佐々岡 ええ。勝利を目指す中で一試合一試合に集中し、声援を頂きながら一つの目標に向かっていく。皆でよりコミュニケーションを取って…という考えは変わりません。

 大野 (昨年)12月に1軍選手を中心に少人数の食事会を開いたとか。

 佐々岡 選手とのコミュニケーションがなかなか取れなかったので、気軽に話せる機会を設けたいと思いまして。本来ならシーズン中にできればよかったけど、宿舎の食事会場で一人ずつという状況でもなかったので、感染対策をした場所、かつ少人数で食事を取りながら開きました。

 大野 実際に話を聞いてみてどう?

 佐々岡 選手の気持ちを理解しきれていなかったな…というのがありますね。要望も含め、いろんな話を聞きましたので生かしていきたいと思います。

 大野 話を聞くだけでなく、監督の考えを伝えられるメリットもあるので、それもチームの一体感につながる。今季から主将制を復活させると聞いたけど、打診は食事会で?

 佐々岡 はい。投手と野手が腹を割って話し合えるチームづくりが必要と思い大瀬良と鈴木誠を主将に指名しました。もともと自覚を持った選手たちですが、肩書が付けば気持ちが一層入るだろうし、発言もしやすくなると思いますから。

 大野 来季のキーマンと言えますね。

 佐々岡 そう考えています。成績でもチームを引っ張ってほしいので。2015~16年は黒田(博樹)と新井(貴浩)がチームをまとめリーグ3連覇の土台をつくった。そのイメージです。

 大野 楽しみだ。改めて今季の目標を。

 佐々岡 ファンの皆さんと一つになり去年の反省を生かして戦いたいと思います。勝つことが一番の喜びなのは一致するところなので勝つために何をするか。選手やコーチとコミュニケーションを取りながら…。

 大野 そうだね。

 佐々岡 2年連続Bクラスですが、3連覇の実績があるチームなので、力はまだまだ残っている。優勝を果たしたいと思います。

 《新春対談(下)に続く》

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