ソフトB・デスパイネ 3度目のV撃 亡き川村氏にささげる勝利

[ 2020年9月17日 05:30 ]

パ・リーグ   ソフトバンク5―4日本ハム ( 2020年9月16日    札幌D )

7回1死満塁、勝ち越しの2点適時打を放つデスパイネ(撮影・高橋茂夫)
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 首位ソフトバンクは日本ハムに5―4で逆転勝ちし、2位ロッテとのゲーム差を1・5に広げた。7回にアルフレド・デスパイネ外野手(34)が勝ち越しの中前2点適時打を放った。8日に1軍に昇格後、3度目のV撃となった。この日、選手の信頼が厚かった3軍コンディショニング担当の川村隆史氏が、55歳でくも膜下出血のため死去。全員で勝利を天国にささげた。

 打って当然、とばかりに喜ばないところが主砲らしい。デスパイネは巨体を揺らしクールに一塁に到達すると、一塁コーチの本多コーチと拳をぶつけ合った。代走・真砂と交代すると、ベンチに深く腰掛けた。

 「みんながつないでくれたチャンスに打てて良かった。一戦、一戦、100%で臨んでいる。しっかり、準備、研究してセンター前。打てて良かった」とお立ち台でも、変わらずに淡々としていた。

 2―3の7回。打線は2番手・公文を攻めた。先頭の高谷が中前打で出塁。犠打と栗原の左前打、中村晃の四球で満塁となり、3番手・玉井から柳田が押し出し四球を選んで同点とした。押せ押せムードで登場したのが、5番・デスパイネ。カウント1―2からの5球目フォークを中前にはじき返す、2点適時打を放った。

 「キューバと日本でいいリハビリができたし日々、トレーニングもできている」と好感触は続く。8月21日のロッテ戦から1軍復帰。左膝の違和感で8月26日に抹消。再び9月8日に昇格した。1軍11試合で12安打。うち半分の6安打が中前打だ。この日、今季3度目のV打。大砲のイメージはあるが実は基本にも忠実。頼もしく結果を残し続けている。

 DHだけではなく、この日を含めて3度、左翼手としても出場している。「残り試合は少ないし、やらないといけないことはやる。チームの雰囲気はいいので」とフォア・ザ・チームを貫く。これで連敗を2で止め、首位をキープ。工藤監督は「本当に良く打ちましたね。“何くそ”という思いでしっかりバットを振ったことが逆転につながりましたね」とデスパイネを軸とした反撃を振り返った。

 試合後、3軍コンディショニング担当の川村隆史氏の訃報がナインに知らされた。指揮官は「川村君が天国から見てくれて力をくれた」と悼んだ。

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2020年9月17日のニュース