阪神・小幡 兄2人の“声援”受けプロ初安打からマルチの活躍 虎の10代野手では浜中以来

[ 2020年8月28日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神6-3中日 ( 2020年8月27日    甲子園 )

<神・中(12)>5回1死、小幡はプロ初安打となる中前打を放つ(撮影・北條 貴史)
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 一塁ベースで初々しく照れて、ちょこっとだけガッツポーズした。阪神・小幡が3―2の5回1死で柳の外角シンカーを、前進してくる中堅・大島のわずか前に落とし、うれしいプロ初安打だ。

 「1本目出たときはすごくうれしかった。(記念球は)両親に渡します」

 2試合連続で8番・二塁で先発出場。通算7打席目で放った安打は、球団の10代野手では97年に高卒新人だった浜中以来となった。青柳の犠打で二進。近本の中前打では大きく両手を広げて本塁へヘッドスライディング。リプレー検証が行われたがセーフの判定は覆らず、貴重な追加点をもぎ取った。8日のウエスタン・リーグ広島戦で自打球を顔面に当てて鼻骨骨折し、まだ完治していないが「本能的に頭からいってしまった」とむき出しにした闘争本能も◎だ。

 守備でも4回先頭ビシエドの痛烈なライナーをジャンピングキャッチするなど走攻守で光った。試合後に取材されていると、矢野監督が乱入。「おとうちゃん、おかあちゃん、いろんな人に連絡しとけよ」と声を掛けられたが、こんな初体験もまたうれしい。

 同学年には高校時代に甲子園を沸かせた中日・根尾や広島・小園らがいる。1年目から1軍の試合に出る姿を見て「俺も早く上で戦いたい」と心の中ではライバル心を秘めていた。ネットでいつも情報をチェック。昨年のフレッシュ球宴では小園に気になっていたことを質問攻めするなど刺激をもらっていた。

 初めて昇格したときは小幡家LINEで報告。2人の兄からは「フェイスガード忘れるなよ」、「頑張ってこい」とイジられながらも激励された。8回にも中前打で初マルチ。9回は三塁の守備にまわり、3連勝すべてでゲームセットの瞬間を味わえた。また、家族ラインで報告することがたくさん増えた。 (長谷川 凡記)

 ▼阪神・井上打撃コーチ (2安打の小幡について)見ててワクワクするというか、何かしてくれるんじゃないかと思わせてくれる。(物おじしない)そう見えているだけ。目が開いているのか?って顔してる。俺は“網戸”って言っているんだけど(笑い)。

 【小幡選手はこんな人】
 ☆生まれ&サイズ 2000年(平12)9月21日生まれ、大分県大分市出身の19歳。1メートル84、74キロ。右投げ左打ち。

 ☆球歴 明野北小3年からソフトボールを始め、投手兼遊撃手。明野中では大分明野ボーイズで遊撃手。延岡学園(宮崎)では1年秋から正遊撃手で、2年秋から4番を務める。3年春の選抜大会出場も初戦敗退。18年ドラフト2位で阪神入り。同学年に根尾昂(中日1位)、小園海斗(広島1位)、太田椋(オリックス1位)、藤原恭大(ロッテ1位)、吉田輝星(日本ハム1位)ら。

 ☆憧れの選手 同じ大分県出身で、同じ遊撃手の西武・源田。中学時代に所属した大分明野ボーイズの先輩にあたり、源田が在籍中に取り組んだテニスボールを使ったノックによる守備練習を、小幡は高校進学後も個人的な練習法として継続。

 ☆悩み 体重が増えないこと。昨年8月には「最近体重が減ってるんですよね」と入団当時の73キロから約3キロ減ったことを明かす。シーズン終了後は三食と間食で欠かさず白米を摂取し「プロテインも飲んで鍛えています。(鍛える箇所は)上半身も下半身も両方です」と体力強化に余念がなかった。

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