阪神・遥人 中6日でも“横綱相撲”の8回1失点 お気に入り千代大海並みの「攻めの姿勢」効いた

[ 2020年8月26日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神5-1中日 ( 2020年8月25日    甲子園 )

<神・中(10)> 試合に勝利し、笑顔でファンに手を振る高橋 (撮影・後藤 大輝)
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 阪神は25日、夏の長期ロードを終え19日ぶりに戻ってきた本拠地・甲子園で中日に勝利した。今季初めて中6日で登板した高橋遥人投手(24)が先制点こそ許したが8回1失点の力投で2勝目。先発ローテーションで力を発揮できることを改めて示し、9月から予定される大型連戦に向け明るい材料となった。

 高橋は攻めの投球を貫いた。2―1の5回2死二塁。平田を3球連続内角球で追い込むと、最後も内角直球で詰まらせ遊ゴロ。木浪の好守もあり中盤のヤマ場を切り抜けると、昨年7月7日以来、自己最長に並ぶ8回を投げ6安打1失点で2勝目を手にした。

 「週の頭で勝ちを持ってくる投球ができてすごくうれしい。調子はそんなに良くなかったが、走者を出しながらも粘れた」

 夏の長期ロード明けで19日ぶりに戻ってきた甲子園。初回をわずか5球で3者凡退に退けると、2回は無死から連打を浴び一、三塁とされたが、阿部を併殺に仕留める間に許した1点で切り抜けた。3回以降は140キロ台後半の直球を軸に攻めて得点を許さず、本拠の虎党を喜ばせた。

 「中6日で8回を投げ切れたというのも自信にしたい」と話したように前回18日の巨人戦は中11日で7回1失点だったが、左肘のコンディション不良から復帰して3戦目となった今回は出場選手登録を外れず中6日で結果を出した。

 矢野監督も「中6日でしっかり投げてくれたというのはこっちとしても(うれしいし)遥人もまた一歩前に進めていると思う。余裕もあるぐらいの感じで、本当に安心して見てられるピッチャーに育ちつつある」と評価。最大13連戦を控える9月の大型連戦に向けてもローテーションの一角を担える力があると認めた。

 今季全3試合でクオリティースタート。安定感の礎は下半身強化にあった。幼い頃から祖父母の影響で好角家だといい、元大関(現九重親方)の千代大海がお気に入り。「気迫といい、攻めの姿勢はすごいと思う」。故障でファームにいた1年目の8月には四股や、すり足といった“相撲トレ”を実践し下半身強化に努めたこともあった。

 今季も開幕前に離脱した際、鳴尾浜のウエートルームで毎日1時間バイクをこいだ。「投げ抜く体力は必要だと思うので」。肩、肘の故障に直面しながら、鍛えてきた下半身の強さが生きている。

 長いイニングを投げ抜く力は身につけた。昨年は8月以降、1勝7敗でシーズンを終えたが、今年は同じ轍(てつ)を踏むわけにはいかない。真価が問われる、あと3カ月。猛虎の反攻は背番号29が握っている。 (長谷川 凡記)

 《甲子園勝率は・667》阪神は今季、甲子園で12勝6敗2分けと好調で、本拠地球場の勝率・667は、巨人の・680(東京ドーム、17勝8敗1分け)に次いで高い。昨季は甲子園20試合消化時点で69得点、96失点で5度の零敗を含む8勝12敗。そこから反攻に転じ年間では32勝29敗1分けと勝ち越した。今季は37試合を残しており単純計算なら24勝。昨季後半の勢いを再現すれば、それ以上の勝利も期待できるはずだ。

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