元NHKアナ・小野塚康之氏 個性的な実況スタイルの源流は「虎」?

[ 2020年8月11日 00:15 ]

小野塚康之氏
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 独特な表現とハイテンションの実況が代名詞の元NHKアナウンサーの小野塚康之氏。個性的な実況スタイルの源流は実は「虎」にあった?

 スタイルが確立されたのは1998年。NHKがBS放送で、年間数10試合の阪神戦生中継を決めた年だ。局の方針は「中継に力を入れるため、メインアナウンサーを決める」。指名されたのが、大阪放送局勤務の小野塚氏だった。

 アナウンサーとして脂が乗ってきた40代。指名に奮い立ったが、何とも時期が悪かった。同年、阪神は開幕から浮上の糸口も見いだせず、最終的には52勝83敗の最下位でシーズンを終える。後年「暗黒時代」とも称される時期――。困難な状況下で実況するテンションを考え続けた結果、針が振り切れた。

 「負けることが多かったんですよ。でも、負けても楽しくないといけない。阪神に温かく行こうと」

 アナウンサーとして一方に肩入れする実況は厳禁。NHKともなれば、なおさらだ。だが敗者への思いやりがその「原則」を上回った。視聴者にとっての応援チームが負けても、心に残る実況を届けよう。スタイルは定まった。

 98年と言えば、松坂大輔擁する横浜(神奈川)が甲子園大会春夏連覇。小野塚氏の名実況は今でも記憶に新しい。阪神での実況スタイルがそのまま、甲子園大会でのハイテンション、そして「トゥーレツ!」など独特なフレーズへとつながっていった。

 ◆小野塚 康之(おのづか やすゆき)元NHKアナウンサー。1957年(昭32)5月23日、東京都出身の63歳。学習院大から80年にNHK入局。東京アナウンス室、大阪局、福岡局などに勤務。野球実況一筋30数年。甲子園での高校野球は春夏通じて300試合以上実況。プロ野球、オリンピックは夏冬あわせ5回の現地実況。2019年にNHKを退局し、フリーアナウンサーに。

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