阪神・近本 “お目覚め”今季初の猛打賞 虎も目覚めた今季最多15安打9得点!

[ 2020年7月5日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神9-3広島 ( 2020年7月4日    マツダ )

<広・神(1)>4回2死二、三塁、近本は右翼線に2点適時打を放つ(撮影・坂田 高浩)
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 阪神・近本光司外野手(25)が4日の広島戦で、今季初めての3安打猛打賞をマーク。開幕からの打撃不振を振り払うように3打点も挙げ、チームの連敗を4で止めた。リードオフマンの躍動に導かれた打線は、いずれも今季最多となる15安打9得点。9連戦初戦を快勝し、逆襲への第一歩を踏み出した。

 力強い拳を三塁ベンチに向かって突き上げた。3点優勢の4回2死二、三塁。近本が大瀬良の内角高め直球を振り抜いた。リードを広げる右 前2点タイムリー。開幕から2試合連続完投勝利を挙げていた難敵を、こ の回で降板させた。

 「チャンスでしたし、1点を取れるかで大きく流れも変わってくると思ったので、ランナーを還せてよかった。勝利につながったという点で、よかったと思います」

  今季55打席目にして生まれた初の適時 打だった。試合前までの打率は・149、1打点。切り込み隊長としては寂しすぎる数字が並んだ。歩調を合わせるように、チームも開幕から低迷。4連敗をストップさせただけでなく、自らの手で、反攻への扉をこじ開けた。

 まさに、必死のパッチだった。雨天中止となった前日3日。福留からタイミングの取り方などを助言された。「気持ちで動き方も変わるし、昨日の練習がよかったと思う」。すぐさま成果を出し、うなずいた。

 1番打者としての役割を最大限果たした。初回は9球粘っての二塁内野安打。マルテの先制弾を呼ぶと、2回1死一、三塁では中犠飛で追加点をもたらした。7回の第4打席では、今村の外角直球を左前打。今季初の猛打賞を記録すると、続く上本の初球で二盗に成功した。バットで足で今季最多の15安打9得点を演出。矢野ガッツを繰り出した指揮官も、満足げに振り返る。

 「3本出たというのは流れ的にはすごくいい。そういうところでは、孝介(福留)が一生懸命教えてくれて、それがヒントになった部分もあったと思うし、吹っ切っていってくれたらなと思う」

 研究熱心な姿勢は野球だけではなかった。今オフは積極的に読書に挑戦。骨格や体の動きに関するスポーツ医学分野を読破し、人体の仕組みなど基礎知識を叩き込んだ。パフォーマンスを向上させるためには、いかなる労力も惜しまない。それが、近本という男だ。

 きょう5日の一戦に勝利すれば、開幕5カード目にして初の勝ち越しとなる。苦境を脱するには、勝ち続けるしかない。頼れるリードオフマンが本来の姿を取り戻せれば、視界は一気に開けてくる。 (長谷川 凡記)

 《昨年7月6日以来も猛打賞3人》阪神が今季最多の15安打と9得点で勝利。近本、ボーア、梅野の猛打賞3人は昨季7月6日の広島戦(甲子園)で近本、糸原、糸井が記録して以来。チームはきょう勝てば今季初の連勝&開幕5カード目初の勝ち越しになる。

 ▽阪神逆転優勝の最大ゲーム差は6・5 阪神がリーグ優勝した過去5度のシーズンで、首位チームに付けられた最大ゲーム差は1964年の6・5。7月26日時点で47勝37敗1分けの2位から首位・大洋(55勝32敗)を追いかけるマッチレース。シーズン139試合目の9月30日の中日戦で逆転優勝を決めた。

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