金足農伝説の2ランスクイズの走者・菊地彪吾の今

[ 2020年6月18日 14:06 ]

八戸学院大・菊地彪吾外野手
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 18年夏の甲子園は、エースの吉田輝星投手(現日本ハム)を擁する金足農の快進撃に沸いた。特に印象的だった場面の一つが、近江との準々決勝。1点を追う9回、金足農は無死満塁から2ランスクイズを敢行。二塁走者の菊地彪吾外野手が一気に本塁を狙い、捕手のタッチをかいくぐってサヨナラの生還を果たした。あの夏から2年。劇的な勝利の主役となった菊地は、八戸学院大で野球を続けている。

 14日に青森県六戸町で行われた青森大学との練習試合。2年の菊地は「9番・左翼」で先発出場した。4打席で無安打ながら、送りバントを1つ決め、四球も選んでつなぎ役を果たした。

 大学入学時と比べ、身長は2センチ伸びて1メートル81、体重は6キロ増えて78キロに。「今は外野のレギュラー定着を目指しています。送球が安定し、強さも出てきて、守備力が向上したと思います」。甲子園の時より大人びた顔ではにかんだ。

 2ランスクイズの反響は今でもある。菊地が一塁に出塁すると相手ベンチからは「二塁に進めないよう気をつけろ」「内野ゴロでも一気に(2塁から)本塁を狙ってくるぞ」などと、その足を警戒する声が上がるという。

 1年春から北東北大学野球リーグ戦にベンチ入りし、優勝に貢献。昨年の全日本大学選手権でもベンチ入りした。順調に歩みを進めているが、さらなる高みを見据える。

 「自分はこれといって抜けているものがない。大学で全能力を伸ばし、3学年先輩で社会人野球のTDKに進んだ北畠栞人(かんと)さんのような3拍子揃った外野手になりたい。社会人でプレーするのが今の夢」

 現時点でプロ入りを考えるレベルにないと菊地は謙そんするが、念願の社会人入りを果たした時には、その先に、元チームメートの吉田輝との対戦という、新たな夢が芽生えるかもしれない。(記者コラム・柳内 遼平)

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