清原和博氏 高校球児指導は心の支えになるはず

[ 2020年6月16日 07:46 ]

スポニチ本紙のインタビューに応じた清原和博氏
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 2016年に覚醒剤取締法違反で逮捕された清原和博氏(52)の執行猶予が15日に満了した。懲役2年6月、執行猶予4年の判決。本紙のインタビューの中で「今でも耳鳴り、手の震えが収まらない。うつ病で目がかすみ睡眠薬を飲まないと眠れない」と話すようにこの4年は彼の人生の中でも、とてつもなく厳しく長い年月だったと想像できる。

 逮捕の一報を知った日、ショックを通り越して心の中の一部分が崩れていく感覚に陥った。86年の西武入団から7年間、担当記者として彼の喜びや苦悩を間近で見てきた。彼への思い入れは人一倍強かったし野球への愛情も知っていたつもりだった。入団2年目、87年の日本シリーズであと1アウトで2連覇という巨人戦で一塁を守りながら流した涙。二塁手の辻発彦(現監督)が「まだ試合は終わってないぞ、キヨしっかりしろ」と肩に手を掛ける写真は家に飾ってある。巨人、オリックスと移籍してプロ野球歴代5位の525本塁打。事件さえなければ野球殿堂入りしていただろう。

 長い4年が終わり文字通り新たな人生のスタートラインに立った。PL学園時代から応援し続けるファンは多い。今後、野球界にどうかかわっていけるのか。高校野球の指導者への希望を持っているという。それなら「学生野球資格回復研修」を受ければいい。子供のころから甲子園を目指して汗を流した日々を思い出して原点に戻ろう。簡単にはいかなくても球児を教えることができれば、きっと心の支えになる。清原氏が教えることより逆に球児から教わることも多かろう。

 記者は逮捕されたときの原稿で「野球を愛していなかったのか」と書いた。もう一度野球を愛し、耳の痛いことを言ってくれる友を大事にしてほしい。覚醒剤使用は再犯率が高いと言われ、今後も自分との戦いは続く。だが2度目は許されない。現役時代、常に息子のことを最優先にしてきた母・弘子さんが天国から見守っているのだから。(落合 紳哉)

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2020年6月16日のニュース