亀山つとむ氏 阪神の練習試合を総括 ボーアの進化へ提言 左腕攻略は福留に学べ!

[ 2020年6月16日 08:30 ]

福留孝介外野手(右)に笑顔を見せるボーア
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 スポニチ本紙評論家・亀山つとむ氏が15日、6月に行われた阪神の練習試合11試合を総括した。3試合連続本塁打を放った新外国人のジャスティン・ボーア内野手(32)については、福留の打撃スタイルを参考にすれば、活路が開けることを明言。春季キャンプ終了時からの上積みを認め「5点に近い」と評価した。

 2日からの甲子園3連戦で3試合連続本塁打を放ったボーアは、甲子園でも本塁打できることを証明しました。11試合で打率・200に終わったとはいえ、内容は悪くありません。凡退した打席を見ても現段階で低めの変化球をおいかけることはなく、まだ日本の投手を知らない分、見極めようとしている姿勢もうかがえました。

 16打席無安打が続く左投手の攻略が今後のポイントになりますが、対戦した投手の仕上がりが良く、低めに厳しいボールを集められていました。しかも、新型コロナウイルスの影響でようやく練習試合が再開したばかり。この時期はどうしても投高打低になるのはやむを得ません。

 今後、ボーアが実戦を積んでいくことと、投手の精度が落ちてくることを鑑みれば、4番に見合う活躍は十分に期待できます。ましてや開幕から3カードを戦う東京ドーム、神宮、横浜は、こすった打球でもスタンドインが可能。実際、甲子園で放った1、2本目はフルスイングというよりも、バットをぶつけに行ったら「入った」という印象でした。

 さらなる上積みをもくろむ上でお手本としたいのは、福留です。同じ左打者であるだけでなく、メジャー経験者でもあります。球場の特性を知るにしても、福留から「メジャーなら○○が当てはまる」という伝え方をしてもらえれば、イメージはしやすい。左投手に対しては徹底的にセンターから左を狙う打撃スタイルも、大いに参考とすべきでしょう。

 マルテは数字以上に順調さを感じる仕上がりでした。インサイドアウトの軌道でセンター返しが徹底されており、前日、オリックス山本からの左中間二塁打も、少し詰まっていました。昨年、レフト線への痛烈なファウルが多かったのはメジャー時代同様、芯で捉えようとする意識が強すぎたからです。それが相手投手との相関関係、球場のサイズを熟知して2年目を迎えたことで「詰まっても良い」と意識改革ができたのでしょう。三塁での動きも良く、攻守ともに楽しみです。

 左打者が多い打線にあって、アクセントになり得るのが北條です。ソフトバンク・和田から本塁打した2日後、今度は広島・高橋樹から二塁打を放ちました。いずれも左腕からの長打は、小技だけではないことを示しただけではなく、打線をつなげるために必要なパーツであることも見せつけました。木浪とのハイレベルな遊撃争いはチームにとって大きなプラス。短い調整期間、強行日程ゆえ多くの故障者が予想される今季において、遜色ない2人の存在は頼もしく感じました。

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2020年6月16日のニュース