選手会とNPBが開幕前に合意 FA資格へ、今季は登録日数×1・3の「みなし」に

[ 2020年6月16日 14:35 ]

 日本プロ野球選手会と日本野球機構(NPB)は16日、オンラインで事務折衝を行い、争点だったフリーエージェント(FA)資格取得に関する出場登録日数の扱いについて合意した。今季は出場録日数×1・3で計算する。

 1シーズン分のFA資格取得条件は出場登録日数145日。112日登録されると、112×1・3=145・6となり、1シーズン分のFA資格がカウントされることとなる。国内FA資格は8シーズン、07年以降のドラフトで入団した大卒・社会人選手は7シーズン。海外FA資格は9シーズンに達した時に取得する。

 今季は新型コロナウイルスの影響により、例年なら190日前後あるシーズン全体の日数が、最大でも142日までとなっていた。FA資格を1シーズン分カウントされる選手が一人もいなくなる計算となり、選手会は出場登録日数を「みなし日数」で補うように求めていた。

 選手会は前日15日に臨時大会を開き、要求する「みなし日数」への係数の最低ラインを「1・3」とすることを決議していた。190÷140=1・35となるが、0・05分は譲歩した。加えて「みなし日数」を、出来高払いと、1軍の年俸最低保証額(1600万円)未満の選手が登録日数に応じた差額を得られる追加参稼報酬にも適応することも求めていたが、こちらを取り下げた。

 「球団が経営が苦しい中、出場登録日数は直接お金に関わる問題ではない。出来高や追加参稼報酬は、多少であってもお金に絡むところ。加えてどちらも、全選手というよりは一部の限られた選手になる。昨日の選手大会でも、そこは譲ってでも出場登録日数を、という話になった」と選手会の森忠仁事務局長は説明した。

 12球団側は前提として、試合数削減と当面の無観客開催などで大幅な収入減が確実ながら、今季年俸の削減は求めないと全額支払いを保証。当初は実際の登録日数でカウントするとしていたが、「みなし日数」へ応じる譲歩案を提示していた。事務折衝は1、10日に続きこの日で3度目。労使双方が歩み寄り、19日に迫る開幕前に合意が成立した。

 「球団の方も考えてきてくれて、選手にも気持ち良くやってもらいたいところを受け入れてくれたと理解しています。選手も球団に負担があること、持ちつ持たれつの感覚があり、歩み寄れたのかなと感じています」と森事務局長は振り返った。

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