中畑清氏 高校3年生に集大成の場「球児」救った野球界の力

[ 2020年6月16日 08:00 ]

中畑清氏
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 【キヨシスタイル】よかったねえ。春のセンバツに出場予定だった32校が8月、甲子園で1試合ずつ試合ができることになった。少し遠回りしたけど、高野連の大英断だよ。

 全国の国民が力を合わせて新型コロナウイルスと戦い、感染拡大を抑えて環境を整えた。夏のセンバツ。みんなで勝ち取ったとも言えるんじゃないかな。

 夏の代替大会も行われるしね。いったん断念を発表した福岡県も開催することになって47都道府県がそろう見込みだ。3年生にとっては最後の集大成。力の限り、プレーしてほしいな。

 うれしいプレゼントも用意されている。阪神甲子園球場と阪神タイガースは高野連に加盟する野球部の3年生部員全員に甲子園の土が入ったキーホルダーを贈るって。素晴らしいね。コロナの影響で練習もままならない最終学年を過ごした球児にとっては一生の思い出になるよ。

 選手会も高野連に1億円寄付することを決めたってね。プロ球界全体で球児を支援。これまた素晴らしい。

 野球以外のスポーツにも中止になったインターハイの代替大会を行う動きが出ている。甲子園という存在が高野連を動かし、それが他のスポーツに波及しているのだとすれば、誇らしいね。野球の力って凄い。改めて思うよ。

 こうした動きの先陣を切ったのは19日に開幕するプロ野球。3カ月遅れの球春到来だ。ウキウキ気分の半面、気になるのがクライマックスシリーズ(CS)だ。

 シーズン120試合を確保するため交流戦、オールスターをやめ、日本シリーズを2週遅らせて11月21日開幕とする厳しい日程。セ・リーグは実施しないのに、パ・リーグは日程を短縮して行う。

 パは4球団の本拠地がドーム球場。順調な日程消化が見込めるからってことらしいけど、12球団足並みそろえてここまで頑張ってきたんだよ。

 プロ野球は興行だといっても、今年は特別な一年。最後まで両リーグ足並みをそろえ、同じ条件で日本シリーズを戦ってほしい。ファンに違和感を与えるCS単独開催は見直してもらいたいね。 (本紙評論家・中畑 清)

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2020年6月16日のニュース