阪神・2年目左腕及川 中学時代の因縁の相手、西武・森にプロの世界でお見事リベンジ

[ 2020年5月31日 05:30 ]

交流戦   阪神9-8西武 ( 2020年5月30日    メットライフD )

<西・神(3)> 3回途中、2番手で登板した及川 (撮影・後藤 大輝)
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 若き左腕が勝利の立役者だ。阪神は30日の西武戦に9―8で競り勝った。3回途中から2番手で登板した高卒2年目左腕・及川雅貴投手(20)が1回2/3を2安打無失点と試合の流れを引き寄せ、うれしいプロ初勝利を挙げた。中学時代にテレビ番組の企画で対決して安打を許した西武・森友哉にもプロ初対決でリベンジに成功。2リーグ制以降ではプロ野球史上最長となるデーゲーム開幕16連勝に貢献した。

 勝利の女神が、20歳左腕にほほ笑んだ。両軍合わせて26安打の9―8の乱打戦。うれしいプロ初白星をつかんだのは、阪神の高卒2年目、及川だった。

 「少しビックリしている気持ちもある。自分だけの初勝利じゃなくて、やっぱり野手の方々が打って、点を取っていただいての初勝利。凄くうれしかったです」

 出番は3回、逆転されてなおも1死二塁のピンチ。先発のドラフト5位右腕・村上を救援した。いきなり呉念庭(ウーネンティン)に右中間への適時二塁打を浴び、さらに申告敬遠を含む2四球などで2死満塁。「緊張はあったけど、冷静に自分の投球を心掛けて投げたことが結果につながった」と山田を右飛に斬って危機を脱した。

 4回、先頭の川越に左前打され、森を迎えた。中3時にテレビ番組の企画で対戦経験がある強打者。当時はスライダーを中前打され「プロの厳しさを学ぶことができました」と語った相手だった。あれから5年。同じプロの世界での再戦は2―2の平行カウントから、厳しさを知ったというスライダー。投ゴロに仕留めて「特別な意識はしていなかった。でも抑えることができて、リベンジできたのかな」と振り返った。続く中村、栗山の中軸も抑え、1回2/3を2安打無失点。直後に梅野の勝ち越し弾が生まれ、初白星が舞い込んだ。

 19日にプロ初勝利を挙げた同僚の西純、ロッテ・佐々木朗、ヤクルト・奥川と高校時代は「BIG4」と呼ばれた。4人の中では最後の初白星。唯一、先発白星ではないだけに「同学年が活躍しているのは目に入るけど、それに強く意識を持つんじゃなく、自分と向き合ってやっていきたい」と高みを目指す。

 チームは50年の中日と並ぶプロ野球最長タイのデーゲーム16連勝(1分け挟む)。日曜日も9戦全勝となった。「及川なら大丈夫だと信頼される投手になりたい」。好調なチームが、若い力にも勢いを与えた。

 ○…及川(神)がプロ初勝利。これで19年の高校BIG4は4月8日の奥川(ヤ)、5月19日の西純(神)、同27日の佐々木朗(ロ)に続き全員が勝利を手にした。なお西純と及川の、阪神高卒2年目までの投手が同シーズンにプロ初勝利は13年、新人の藤浪が10勝、2年目松田が1勝で記録して以来8年ぶり。

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