阪神・近本 「史上初」めじろ押しの2年目 入団2年連続150安打“三塁打王”

[ 2020年4月18日 05:30 ]

阪神・近本
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 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、本来3月20日開幕だったプロ野球は5月中の開幕を断念した。スポニチでは、この空白の期間を有効活用すべく、今季の猛虎戦士に期待できる数字を列挙し、矢野阪神の20年シーズンを予習する。17日は「野手編」。2年目の近本光司外野手(25)には「史上初」がめじろ押しだ。

 入団1年目から虎党の希望の光となった近本は「史上初」めじろ押しの2年目に臨む。

 新人年の昨季は36盗塁を記録し、05年の赤星憲広以来となるNPB史上2人目の新人盗塁王となった。打撃面でも159安打でセ・リーグ新人安打記録を更新。入団から2年連続150安打以上なら当然、球団史上初で、長嶋茂雄、源田壮亮に続くNPB史上3人目の快挙となる。加えて安打数とリンクする数字として昨季で球団新人初の200塁打以上も記録しており、今季も200塁打以上で自らの記録更新となる。開幕延期による試合数減が見込まれるが、不可能な数字ではない。

 それだけではない。実は昨季、セ・リーグ最多、両リーグ最多タイの三塁打7本を放ったのも近本だった。入団から2年連続の“三塁打王”となれば球団どころかリーグ史上初となり、ドラフト制以降に限れば、NPB史上初だ。俊足とパンチ力を兼備した近本だからこその“記録”だろう。今季は盗塁数、安打数に加えて三塁打数にも注目が必要だ。

 昨季まで2年連続2桁本塁打の大山には、クリアしてほしい数字がある。「3年連続2桁本塁打」だ。寂しい話だが、阪神の生え抜き野手で3年以上連続で2桁本塁打を記録したのは06年から10年までの鳥谷敬が最後で、右打者に限れば02年から05年の今岡誠(現真訪)以来、不在。将来の生え抜き主砲候補として最低限、クリアすべき数字と言える。

 ベテラン陣では、昨季までに日米通算2000安打などを達成している福留が残り8塁打で日米通算4000塁打に到達。4000塁打はNPB通算で王貞治ら13人、日米通算でもイチローら3人の計16人しか記録しておらず、NPB史上屈指の強打者の証となる。加えて残り103安打でNPB通算2000安打(過去52人)、残り20本塁打で同300本塁打(過去42人)など節目の数字が続く。また糸井も残り3盗塁で通算300盗塁(過去29人)、残り35二塁打で通算350二塁打(過去43人)だ。

 最後に新人に目を移す。ドラフト制以降の高卒新人野手が1軍公式戦出場なら97年の浜中治以来23年ぶりで、本塁打か打点を挙げれば74年の掛布雅之以来46年ぶり。ドラフト2位・井上、同4位・遠藤らの飛躍にも期待だ。(惟任 貴信)

 ≪ボーアに「バース以来」≫「助っ人編」では、特に長距離砲のボーアに「バース以来」を期待したい。阪神で30本塁打以上を記録したのは、10年のブラゼル(47本)が最後。今季、ボーアが30本塁打以上なら実に10年ぶりとなる。また国内他球団を経ていない新助っ人の1年目に限れば、89年のフィルダー(38本)以来31年ぶりで、左打者に限ると83年のバース(35本)以来37年ぶり。さらに条件を40本塁打以上に絞ると76年のブリーデン(40本)以来44年ぶり2人目で、左打者では球団史上初となる。

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2020年4月18日のニュース